ノンアルコールビールが新しい食習慣を作ります。

クリエーティブ・ビジネス塾15「ノンアルコールビール」(2012.5.2)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、パーティーニューフェイス
ゴルフやテニスのあとのスポーツの飲み会だけではありません。法事、お誕生会、オフィスでも見かけるようになった、飲み物のニュースター「ノンアルコールビール」が話題です。
ノンアルコールビール?」「飲んだことがあるよ!」
そう答える人が増えています。それもそのはず、すでの65%の人が飲んでいます。注目すべきは男女の数字、男性69%、女性60%(日経4/12)。女性が負けてはいないんです。
ノンアルコールビールの市場は、2011年に2009年比で2倍に、ことしも10~20%伸びると期待されています(日経3/16)。
2、各社の新製品
各社のノンアルコールビール、オールフリー(サントリー)、フリー(キリン)、プレミアムアルコールフリー(サッポロ)、ドライゼロ(アサヒ)をご紹介します。
そのまえにご注意、各社とも品名・名称は、「炭酸飲料」ですが、「この製品(当商品)は20才以上の方の飲用を想定して開発しました」と書いてあることです。
1)オールフリー(サントリー)・・・一番売れています。アルコール0.00%、カロリーゼロ、糖質ゼロ。「粒選りの麦芽を天然水で仕込み、一番麦汁だけを贅沢に使った、ビールテイスト飲料です」。白地に金とグレーで文字を書いたオシャレなパッケージです。
2)フリー(キリン)・・・アルコール0.00%、無添加、カロリーオフ。「麦芽とホップの恵みがいきたノンアルコール」。緑のロゴが印象的なさわやかなデザインです。
3)プレミアムアルコールフリー(サッポロ)・・・アルコール0.00%、麦芽100%、麦汁使用。「サッポロプレミアムアルコールフリー」。ベージュ地にゴールドを使ったぜいたくなパッケージです。
4)ドライゼロ(アサヒ)・・・アルコール0.00%、カロリーオフ、氷点貯蔵。「ノンアルコールです。明日の仕事を心配せずにお楽しみください」。ヒット商品スーパードライと同じシルバーの缶です。
味は、各社のビールの味ほどの、差はありません。
最初の一口は、ビールと違う違和感があります。食事をしながら飲むときにはビールの感じです。食後の一口も、残る後味もビールのそれと違います。ただし満腹感はある。とくに食後の「ゲップ!」が、満足感に花を添えます。どれを選ぶかは趣味です。サントリーのオシャレな白のパッケージか、キリンのさわやかな緑のデザインか。
3、酒はコミュニケーション
ノンアルコールビールは使い方により、新しい酒の文化に貢献できるはずです。
まず、飲めない人と飲めない場にいい。パーティーやオフィスでの打ち上げにジュースやウーロン茶ではしらける。ノンアルコールビールなら、その場の雰囲気が盛り上がります。
次に女性にいい。もうすぐお母さんになる人も飲めます。ハッピーに人生を楽しめます。
そして、飲酒練習にいい。二十歳なって一番最初に飲むのはノンアルコールビールがいい。
日本人には日常で酒を飲む習慣がない、体力もない。大人たちも酒の飲み方を知らない。だから駅で倒れてる、イッキ飲みの犠牲者がでる。馬鹿げています。
CNNを起業した米国のテレビ界の大物テッド・ターナーは、学生時代にウイスキーのイッキ飲みで連戦連勝、級友からカネを巻き上げていました。秘密は、酒を飲む前にオリーブ油を飲み、酒を飲んだらトイレで吐き出していたことでした。テッドのいたずらに驚きますが、それ以上に酒を正しく理解していることに注目すべきです。酒は気合いで飲めるものではない。危険な飲みものである。
飛行機を待ちながらウイスキー飲む、バーでカクテルを飲む、レストランでワインを飲む。西欧には日本でのビールとサケとショウチュウとは違う酒の文化があります。(もちろん日本酒も焼酎も世界に誇るべきものですが)そこにコミュニケーションが生まれ、仕事と文化が生まれています。
ノンアルコールビールが、鎖国で没落する日本へストップをかけてくれるといいと思います。
ただしお酒は二十歳を過ぎてから。