さかなクン、君は素敵です。

コンテンツ・ビジネス塾「さかなクン」(2011-17) 4/28塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、アースデイ
地球のことを考えて行動する日「アースデイ東京2011」が、4/23、4/24に渋谷のNHK横の代々木公園広場で開催されました。1)自然食品などのアースデイキッチン(レストラン)が27店舗もオープン。そこでは食器のリユース、ゴミの削減が意識されていた。2)アースデイ・コンサートでは、使用済み天ぷら油をリサイクルしたバイオディーゼルで、エネルギーが供給されていた。3)書籍、衣料品、食品の展示ブースの中には、シンポジウムのコーナーがあり、来訪者が講演や討論を聞き、学習できるようになっていた。イベント・スローガンは「ふんばれ日本、かわらなきゃ未来」。今年のエコのイベントは、さながら反原発のイベントのようでした。
2、田中優
会場をブラブラしていて、熱気のある講演会場の立ち見席に加わりました。話していたのは、田中優(未来バンク事業組合理事長、坂本龍一桜井和寿と交流のある反原発のライター)でした。
1)言論統制・・・東電とその関連事業は、トヨタを上回る日本一の広告費で反原発のオピニオンを封じ込めてきた(注:原発批判にはアカデミックハラスメントすらあった。『日経ビジネス』4/25 「東電の罪と罰」P.23)。
2)節電はできる・・・原発で供給されている1/4の電力は、省エネで節電できる。たとえばアメリカのある地区では各戸の配電線が2分割してあり、電力需要のピーク時には冷房用の配電線だけを5分間だけストップさせる。12の地区がつぎつぎを5分間停電をすればたちまち1時間節電ができる。(注:各家庭の電力使用をコントロールする「スマートメーター」がある。前掲『日経ビジネス』P.37)。
3)自然エネルギーがある・・・いちばん風が吹くのは海上である。大きな風車を海の上に並べて発電するプロジェクトがある。しかし政府の研究補助金原発の方、風力発電に追い風は吹かない。
4)送電線を解放せよ・・・送電線は公共財である。しかし東電が独占している。東電は送電線という道路に関所を作り、通行料を取りっている。送電線を解放すれば原発はいらない(注:発電、送電、配電を分離する「発送電一貫経営」を見直す自由化がある。前掲『日経ビジネス』P.36~P.37)。
3、さかなクンの苦悩
コンサートのステージでは、さかなクンとあるマンガ家(山田玲司)のトークライブがありました。
さかなクン「ギョギョギョー!!みなさーん、陽のあったっている所のみなさん!暑くないですかー?」
マンガ家「さかなクンは、テレビで見るのも、実際に見るのも、まったく同じですね」
さ「ギョギョギョー!先生にお会いできてうれしいです」
マ「さかなクンは魚のことなら何でも知っているのですか?」
さ「そんなことはありません。2000種類ぐらい。多少詳しいだけです。今も一生懸命学んでいる所です。(注:さかなクン東京海洋大学客員准教授)」
マ「放射能で海が汚染されています。さかなクンはいまの状況をどう思いますか?」
さ「(放射能のことはまったく触れずに)・・・海には浄化する力があります。海には汚れや毒をきれいにする力があります。すばらしいですね。(注:さかなクン田沢湖クニマス発見の功績で、昨年の今上天皇から、おほめの言葉をいただいている)」
マ「さかなクン!カク(核)などいらない。原発はいらないと思いませんか?」
さ「へー!?先生はすごいことをおっしゃいますね。恐れ入りました。カコ(過去)はいらない!過去を捨てたのですね?ギョギョギヨー!?(場内大爆笑、さかなクンは2009年、東電のCMに出演している)」
会場には、女性、若いカップル、そして子供ずれの夫婦。みんなあか抜けした格好をしています。
さかなクンが巻き起こした大爆笑は正常でした。原発推進は弱まる、しかし反原発だけで、即エネルギーの問題が解決するわけではない、会場のみんなはそれを感じていました。
イベントのパンフレットが品切れになっていました。主催者の係の女性に聞くと、いま取りに行っていますが、クルマが渋滞に巻き込まれ、遅れています、申し訳ありませんと、ていねいに説明してくれました。エコのイベントも地球を汚す!ウーム???なんという、ジレンマ!