中国人のやり方が「世界標準」になります。

コンテンツ・ビジネス塾「中国人」(2010-21) 6/9塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、ビザ
日本にやってくる中国人の数が現在の10倍に増えます。日本政府は7/1からビザ(査証)の発行用件を大幅に緩和します。いままで中国人はエリート層しか来日できませんでした。年収が25万元(約340万円)以上から3万元(約41万円)以上に引き下げられます。これにより4億人以上の中国人が観光旅行で日本に来れるようになります(日経 5/9)。
2009年に日本を訪れた外国人は678万人、そのうち100万人が中国人でした。青山、秋葉原、銀座で中国人の大きな声を聞くことはあたりまえになりました。その中国人は米国人旅行者の4倍超の平均11万6千円を日本に落としてくれています。にもかかわらず私たちは中国人のおもてなしに真剣になっていません。中国の海外旅行者は年間4000万人、そのうちの100万人は、たったの2.5%にしか過ぎません。おとなりに無関心の私たちはみすみすのビジネスチャンスを逃しています。
2、上海万博
5/1から人類史上空前の国際イベント上海万博が始まっています。「Better City Better Life(より良い都市、より良い生活)をスローガンに掲げる上海万博で何が起きるのか。それは1970年の日本大阪万博がそうであったように、中国人の生活を変えます。
日本人は万博を境に、学生服と背広からカジュアルウェアに、マックやケンタを食べるようになり、海外旅行をするようになりました。中国人も同じです。ユニクロH&Mを着て、清潔なトイレとデザイン家具の家に住み、海外旅行を楽しむようになります。
もう一つは、世界史を変える大きな変化です。現在のグローバルスタンダード(世界標準)は、欧米のローカルルールでしかありませんでした。それが変わります。中国人の規範や商習慣が世界標準になります。たとえば中国では「人を見て法を説け」と教えます。お客さまそれぞれによって正しいことは違います。家族や友人を優遇することこそが「正義」になります(「大阪万博」と「上海万博」堺屋太一 『文芸春秋』6月号)。
3、中国人
香港の映画スターのイーキン・チェンのマカオ・ライブにスタッフとして参加しました。
印象に残ったのは、コンサートよりも翌日の打ち上げの昼食会でした。そこに集まったのは、イーキンのご両親、共演者二人のご両親でした。日本風にいえば、「キムタク」と「さんまさん」とナイナイの「岡村クン」のご両親6人が、打ち上げで一緒に食事をしたような感じです。日本人の私はそれぞれのご両親のそばに行き、ていねいにあいさつします。彼らはなつかしい友人に会ったような満面の笑みで答えてくれます。信じられない。今まで経験したことがないぬくもりがあります。そこには先日当局から収賄容疑で逮捕されたイーキンの友人のプロデューサーもいました。中国では、「宗族(家族)」と「幇(パン、ほう、義兄弟、秘密結社)」です。中国では、法律よりも家族、友人が、優先するのです(『小室直樹の中国原論』徳間書店)。
さらに驚きがあります。コンサートと昼食会をしたのはマカオです。そこはカジノ(CASINO=賭博)だけの街です。ホテルの一階、サッカー場が二つはいるようなスペースで24時間、何百人の人が、何万、何百万のお金が動くギャンブルをやっています。ギャンブル好きの「共産主義」中国人の価値観は、私たち日本人のスケールをはるかに超えています。
カジノのあるホテルのレストランで、中国人のファッションをウォッチングしました。ほとんどが運動靴。ジャージーでサンダル履きの人もいます。上はポロシャツ。髪を染めている人はほとんどいません。ヒールを履いた人を見つけると、それはみな若い人でした。
少なくとも1000万人の中国人が観光旅行に来る可能性があります。ビジネスチャンスがあります。
まずファッション、そしてヘア・メイク。中国人は日本人の美容技術に感動します。そのためには交通機関とショップの電子看板デジタルサイネージ)も中国人対応にする必要があります。
確実に中国人はおしゃれになります。BS放送に登場する中国人のニュースキャスターは、すでに世界のナンバーワンです。男女とも、おしゃれでフランス、アメリカ、イギリス、日本に勝っています。