コンテンツ・ビジネス塾「PCの終わり」(2010-20) 6/1塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。
1、iPad登場
4/3に米国で発売。4週間で100万台を売った多機能情報端末「iPad(アイパッド)」が
日本でも5/28から発売になりました。iPadで何ができるのでしょうか。
1)ウェブブラウジング。サイトの閲覧です。地図もあります。カーナビになります。
2)電子メール。受信はもちろん、画面上のキーボードを使って文章も作れます。
3)写真。アルバム、作品集、商品見本を展示できます。
4)映像。映画、ユーチュ-ブを見れます。ビジネスのプレゼンテーションもできます。
5)音楽。聞くだけではありません。画面のキーボードを使い、演奏もできます。
6)ゲーム。大画面で迫力満点。ゲームソフトを簡単にダウンロードできます。
7)書籍。新聞、雑誌もオーケー。読書は変わります。教科書もこれ1冊になります。
2、PC(パソコン)の終わり
現在日本のインターネットの最前線を走っている梅田望夫(米ミューズ・アソシエイツ社長)は、iPadの登場を「PC(パソコン)時代の終焉(しゅうえん)」と表現しました(産経5/24)。
PCは、米インテルの半導体テップと米マイクロソフトのOSによって構造が規定され、世界標準となり約20年間、世界を支配してきました。PCには問題がありました。1)量産効果で利益を上げるために、新しい構造のコンピューターの開発には無関心にならざるを得ませんでした。2)さらに素人考えを承知で言えば、OSは頭のいい(固い)プログラマーが作ったもので、とてもなじめないものでした。
さらに「iモード」、「おサイフケータイ」の生みの親、夏野剛(慶大教授)も言います。いまのパソコンのシェアはWindowsが90%、Macは10%しかない。もしこのシェアが逆だったら、高齢者がパソコンを使えないとか、教育の現場にITが導入されないとか、そういうデジタルデバイド(情報利用能力格差)の問題は起こっていなかった(「アップル丸かじり」『週刊ダイアモンド』5/15)。
PC時代を築いたビル・ゲイツは、nerd(オタク)、geek(変人)と呼ばれる、おしゃれにはほど遠い人でした。その功績を否定するものではありませんが、PC時代は仕事を速くしただけで、人を自由にするものではありませんでした。
対してポスト・PC時代を切り開くスティーブ・ジョブスは、スニーカーとジーンズのヒッピーでした。音楽や愛が、感性をどれだけ拡張するかに関心を持っていました。シリコンバレーのアップル本社に行けばわかります。学園のような敷地には、自由の空気が溢れています。
本質的に新しいものに関心を持ったジョブスはゲイツに負け続けました。ゲイツの前のジョブスは、ドン・キホーテでしかありませんでした。しかし、ついに春は来ました。iPod、iPhone、iPadの成功でアップルは、マイクロソフトを追い抜き、株式時価総額で、IT業界のトップに躍り出たのです。
3、時代は変わる
名古屋文理大学情報文化学部情報メディア学科では新入生全員100人にiPadを無償で配布します。教科書も参考書も趣味の読書も、ノートも、出欠も、iPadだけでオーケーになります。
新聞も読めます。産經新聞は早速サービスを始めました。雑誌はGQジャパン、ヴォーグニッポン、ファッションでは、GAP、フレッドペリー、ニューヨーカーがサービスを始めています。コーディネーションを画面でトライし、ネット注文できます。
美容室、理容室でも使えます。どのくらい切りますか。どんな色に染めますか。ウェーブはどんな感じに。iPadなら、お客さまのご要望に合わせて、具体的に写真や映像で提案できます。プレゼンテーションに革命が起こります。
発売の翌日に混雑する銀座のアップルに行き、iPadを手にしました。それほど重くない。とてもいい触り心地。キーボードが画面に出ます。本もパラパラ。わからない英文の単語には訳が出てきました。まさしく魔法です。そして、コンピューターの長い長い歴史を思いました。もしぼくが、いま小学生で、これが始めて触ったデバイス(コンピューター周辺の道具)だったら、どんなに幸せだっただろうか。進歩するはずのない心も、いまよりもっと自由にもっと豊かになっていたのではないかと。
コンテンツ・ビジネス塾「PCの終わり」(2010-20) 6/1塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。
1、iPad登場
4/3に米国で発売。4週間で100万台を売った多機能情報端末「iPad(アイパッド)」が
日本でも5/28から発売になりました。iPadで何ができるのでしょうか。
1)ウェブブラウジング。サイトの閲覧です。地図もあります。カーナビになります。
2)電子メール。受信はもちろん、画面上のキーボードを使って文章も作れます。
3)写真。アルバム、作品集、商品見本を展示できます。
4)映像。映画、ユーチュ-ブを見れます。ビジネスのプレゼンテーションもできます。
5)音楽。聞くだけではありません。画面のキーボードを使い、演奏もできます。
6)ゲーム。大画面で迫力満点。ゲームソフトを簡単にダウンロードできます。
7)書籍。新聞、雑誌もオーケー。読書は変わります。教科書もこれ1冊になります。
2、PC(パソコン)の終わり
現在日本のインターネットの最前線を走っている梅田望夫(米ミューズ・アソシエイツ社長)は、iPadの登場を「PC(パソコン)時代の終焉(しゅうえん)」と表現しました(産経5/24)。
PCは、米インテルの半導体テップと米マイクロソフトのOSによって構造が規定され、世界標準となり約20年間、世界を支配してきました。PCには問題がありました。1)量産効果で利益を上げるために、新しい構造のコンピューターの開発には無関心にならざるを得ませんでした。2)さらに素人考えを承知で言えば、OSは頭のいい(固い)プログラマーが作ったもので、とてもなじめないものでした。
さらに「iモード」、「おサイフケータイ」の生みの親、夏野剛(慶大教授)も言います。いまのパソコンのシェアはWindowsが90%、Macは10%しかない。もしこのシェアが逆だったら、高齢者がパソコンを使えないとか、教育の現場にITが導入されないとか、そういうデジタルデバイド(情報利用能力格差)の問題は起こっていなかった(「アップル丸かじり」『週刊ダイアモンド』5/15)。
PC時代を築いたビル・ゲイツは、nerd(オタク)、geek(変人)と呼ばれる、おしゃれにはほど遠い人でした。その功績を否定するものではありませんが、PC時代は仕事を速くしただけで、人を自由にするものではありませんでした。
対してポスト・PC時代を切り開くスティーブ・ジョブスは、スニーカーとジーンズのヒッピーでした。音楽や愛が、感性をどれだけ拡張するかに関心を持っていました。シリコンバレーのアップル本社に行けばわかります。学園のような敷地には、自由の空気が溢れています。
本質的に新しいものに関心を持ったジョブスはゲイツに負け続けました。ゲイツの前のジョブスは、ドン・キホーテでしかありませんでした。しかし、ついに春は来ました。iPod、iPhone、iPadの成功でアップルは、マイクロソフトを追い抜き、株式時価総額で、IT業界のトップに躍り出たのです。
3、時代は変わる
名古屋文理大学情報文化学部情報メディア学科では新入生全員100人にiPadを無償で配布します。教科書も参考書も趣味の読書も、ノートも、出欠も、iPadだけでオーケーになります。
新聞も読めます。産經新聞は早速サービスを始めました。雑誌はGQジャパン、ヴォーグニッポン、ファッションでは、GAP、フレッドペリー、ニューヨーカーがサービスを始めています。コーディネーションを画面でトライし、ネット注文できます。
美容室、理容室でも使えます。どのくらい切りますか。どんな色に染めますか。ウェーブはどんな感じに。iPadなら、お客さまのご要望に合わせて、具体的に写真や映像で提案できます。プレゼンテーションに革命が起こります。
発売の翌日に混雑する銀座のアップルに行き、iPadを手にしました。それほど重くない。とてもいい触り心地。キーボードが画面に出ます。本もパラパラ。わからない英文の単語には訳が出てきました。まさしく魔法です。そして、コンピューターの長い長い歴史を思いました。もしぼくが、いま小学生で、これが始めて触ったデバイス(コンピューター周辺の道具)だったら、どんなに幸せだっただろうか。進歩するはずのない心も、いまよりもっと自由にもっと豊かになっていたのではないかと。