9条は占領軍によって書かれたものです。

クリエーティブ・ビジネス塾35「安倍首相の談話」(2015.9.2)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、江藤淳
安保法制に反対して「日本国憲法の9条を守れ」の街頭デモが行われています。「戦力を持たない」と書いてある憲法です。しかし日本は毎年世界で5~7位の軍事予算を計上し、海上自衛隊(海軍)の戦力は世界第2位と評価されています。その矛盾は問わないとしても、日本国憲法は占領軍により制定されたものであることを、もう一度確認すべきです。目を背けてはいけない、はっきりと認識すべきです。
占領軍(米国)は、東京大空襲と広島・長崎に原爆を投下する前から、日本の思想と文化の殲滅(せんめつ)を計画していました。そして終戦後に、東京裁判日本国憲法、太平洋戦争史として、具体化しました。戦後70年、日本の思想と文化の殲滅作戦は成功しました。なぜなら、いまだに「憲法9条を守れ」と叫ぶ、進歩的な(洗脳された)日本人がいます。そして日本人は民族としての誇りが持てぬままに少子化時代に突入し、日本国はやがてこの地球上から姿を消そうとしています。
どうやって占領軍は日本殲滅作戦を成功させたか。言論弾圧です。米国検閲局の組織的な検閲によってです(日本ではCCD=民間検閲支隊とCI&E=民間情報教育局)。占領軍の批判を禁じ、東京裁判極東軍事裁判)批判、日本国憲法を占領軍が起草したことへの批判、さらに神国日本の宣伝を禁じました。占領軍は、日本人の心に育まれてきた伝統的な価値体系の、徹底的な組み替えを狙いました(『閉ざされた言語空間』江藤淳 p.241 文春文庫)。恐ろしいことは、占領軍の検閲に協力した1万人以上の日本人が口を閉ざしていることです(2015.9.2日経が元検閲官の証言を載せた。検閲官は国家公務員の初任給の倍近いギャラで、私信を開封し占領軍批判を英訳していた。同僚たちはこの事実を絶対に話さなかった)。
2、安倍晋三
世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。」(安倍晋三首相の戦後70年談話。日経8/15)。
経済のブロック化とは、英国、フランス、米国が植民地をブロックとして特恵関税を設定し、他国へ需要が漏れないようにし、経済の保護をした経済体制です。英国のスターリング・ブロック、フランスのフラン・ブロック、米国のドル・ブロックがあります。対して植民地のないドイツ、イタリア、日本は、貿易取引ができず、経済が行き詰まり、第2次世界大戦が始まります。
安倍首相の談話は、画期的です。日本はなぜ戦争の道を選んだのか。私たちは誰もが暗黙のうちに、軍部の独走、「天皇制」、大政翼賛会などと、考えます。首相談話は常識をくつがえしました。「太平洋戦争史」(占領軍の造語)は仕組まれた罠でした。太平洋戦争史は、軍国主義者と国民を対立させました(前掲p.270)。日本に軍国主義者などいません。日本のファシストと宣伝されている東條英機元首相は、東京裁判の「口供書」のなかで証言しています。「日本帝国の国策ないしは当年合法にその地位に在った官吏のとった方針は、侵略でもなく、搾取でもなかった。(中略)この戦争は自衛の戦争であり、現時承認せられたる国際法には違反せぬ戦争なりと主張する」(前掲p.285)。
3、渡部昇一
安倍談話は、東京裁判史観を克服した百点満点だと、渡部昇一上智大学名誉教授が絶賛しました。まず渡部名誉教授は、「ブロック経済」を戦争突入のきっかけとして日本の首相が取り上げたのは、戦後初めてだと評価します。第2次世界大戦は、「持てる国(haves)」と「持たざる国(have-nots)」の戦いでした。(「東京裁判史観を克服『安倍談話』は百点満点だ」渡部昇一 『WiLL』2015.10 P.32)。
つぎに渡部名誉教授が自説を展開します。明治45年(1912)に清朝は滅び孫文が大統領になりますが、滅びた満州族清朝を助け、廃帝宣統帝を王に迎えたのが「満州国」だというものです。さらに渡部名誉教授は爆発します。戦前の日韓関係は植民地を宗主国の関係ではなかった。韓国は大韓帝国、帝国同士の合併だった。日本の皇族の姫君が世子(世継ぎ)と結婚しておられる(前掲p.39)と指摘します。
江藤淳昭和7年生まれ、渡部昇一昭和5年生まれ。やはり戦前教育を受けた人は光っています(昭和29年生まれの安倍晋三は、岸信介元首相の孫、保守本流の血統)。先輩たちはどんどん少なくなっていきます。私たちは学びをスピードアップする必要があります。