2010元旦の社説ランキング

コンテンツ・ビジネス塾「元旦の社説」(2010-1) 1/2塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、元旦の新聞各社の社説。
・朝日
未来を展望するとき、今年で半世紀になる日米安保体制の重要性が分かってくる。まず日米同盟は日本を復興させ、それがアジアと世界の繁栄のもとになった。つぎに安保と憲法9条の組み合わせは、日本国民とアジアに平和の安心を与えた。現在、普天間基地、中国・アジアとの関係で見直しが提起されていが、中東、核、気候変動の地球的課題を前にしたとき、日米同盟はますます重要になってくる。
・毎日
日本再建を、1300年前に誕生した平城京に学びたい。東アジア戦乱の時代のなかで人々は、国土防衛をし、政治改革をすすめ、律令国家を成立させた。さらに平城京・奈良はアジアと西域文化の集積地でもあった。現在の日本は発信力を持たねばならない。海外から人材を集め、日米同盟を深化させ、万葉集を生んだような、文学、映画、アニメ、日本食・・・文化の発信力が日本の再建につながる。
・読売
鳩山政権は、国家戦略がないために、迷走している。まず日米同盟。日米は相互補完関係にある、対等関係は現実的ではない。中国よりもアメリカが先である。次にデフレ。マニュフェストにこだわり過ぎている。官僚を使い、公共事業は活用すべき、社会保障の財源として消費税は必要、国債は無利子非課税にして30兆のタンス預金を使いたい。大衆迎合的なばらまき、見せ物政治はおしまいにしたい。
・産経
国を思う心=愛国を忘れ、大切なものを失っていないだろうか。まず日米同盟。東アジア共同体、対中接近は危険である。次は国民。優しいスローガンやばらまきの歓迎で危機を呼び込んでいる。他者依存や甘えで日本再生ができるのか。1300年前の戦いで捕虜になった日本人兵士は、奴隷として我が身を売り、愛国の真心を示した。鳩山首相は、「友愛」ではなく、「愛国」で、難局を乗り越えて欲しい。
・東京
市場原理主義は人々をカネ万能へと歪め、不況と環境は資本主義の限界をはっきりさせた。さらに少子高齢化という難問が、政権交代へと導いた。子ども手当、高校教育無償化、農家の戸別所得補償政策は、新しい。さらに医療、介護、教育、保育などは、国が提供すべきサービスである。もちろん財源、税制の責任も私たちにある。即位2O年・天皇の「みんなが支え合う社会」発言は明日への希望になる。
・日経
平和と繁栄の団塊の世代は全員60歳以上になった。次の世代は幸せになれるだろうか。まずデフレ、GDPは10年前の−5%。つぎに財政や社会保障での若い世代の負担増がある。さらに平和では鳩山政権の日米同盟軽視がある。そして地球温暖化の問題がある。改革の担い手は、投票率の高い高齢者ではない。若い人に選挙権を与え、登用すべきだ。10年後には65歳以上が3割になる。いまが勝負だ。
2、個性、ニュース、夢の3点から、採点しました。あなたの評価はいかがですか。
朝日:しどろもどろの文章。批判は易しく、提案は難しい。朝日は身を以て示した。CCB。
毎日:壮大だがよくできた作文。文化で飯は食っていけない。日本の再建もできない。BBB。
読売:分かりやすく現実的。文学的、情緒的で、ないのがいい。新しい社説のお手本。AAB
産経:署名論文のよさ。人格を感じさせる名文。国民を叱りつけた見識がよい。AAA。
東京:間違えだらけの甘いささやき。自らの論への悪質な天皇利用。これが東京。BCC
日経:シリーズ社説の問題点がわかる。データで裏付ける論理は、説得力がある。AAA。