コンビニと100円ショップの仁義なき戦い。

クリエーティブ・ビジネス塾15「コンビニと100円ショップ」(2013.4.22)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

安倍内閣の経済政策が注目を浴びています。いよい日本経済が動き始めます。「失われた20年」といわれるように、日本は20年間も停滞を続けてきました。いまの若者はかわいそうです。景気のいい話と無縁で育ってきました。草食、結婚しない、子どもを産まないのも、何となく理解できます。
ところがその日本に例外がありました。コンビニと100円ショップ、このふたつは絶えず拡大してきました。ですから若者は「不景気の20年」がしっくり来ないかもしれません。いま、そのコンビニと100円ショップが大きく変貌を遂げようとしています。この変化をチェックしないと、若者はたちまちのうちに、世の中を知らない、おじさんとおばさんになってしまいます。ご用心。
1コンビニ
1)セブンイレブンは、アメリカで生まれ、日本でも1974年に第1号店が生まれた日本最大で世界最大の小売りチェーンです。(その後、米本社は日本に買収されます)。名前は、朝の7時から11時まで営業している長時間営業のお店、だったからです(いまではほとんどが24時間営業)。そのセブンイレブンは最近、お酒に焦点をあてています。なぜでしょうか。60歳以上の3000万人の人びとをターゲットにしているからです。退職、家飲み、つまみの同時購入です。セブンでは、ワイン、ビール、カクテルの商品数を増やしています。
2)「ローソン」はもともとアメリカ人の名前でミルク屋さん、日本のローソンはダイエーが始めた会社です。話題のヒットがあります。全国1万店で2秒に1食売れる「焼きパスタ ラザーニャ」です。
ヒットの秘密は共通ポイントカード「ポンタ」でした。誰が、どこで、何を、何回買ったか。データの分析で、供給量を一気に増やし、ヒットにしました。
3)西友系のファミリーマート(ファミマ)には、若者にうれしいニュースがあります。飲食コーナーが拡大されます。13年度中に出店される1000店のほぼすべてに7~8席できます。チキンやおでんを食べてコーヒーを飲みながら、打ち合わせやデートができます。
2、100円ショップ
1)業界2位の100円ショップセリアはモトモテです。12年度の出店の検討は300店。でも実際に出店したのは60店。店舗の広さ、集客力、選んで選んで出店しているからです。それでも出店要請があります。100円ショップは相変わらず注目のビジネスで、成長力があります。
2)キャンドゥは新百合ケ丘(川崎市)に新型店をオープンしました。白を基調にしたゆったりした店内、100円の表示も少なくなりました。観葉植物、ラッピング用品、彩り豊かな雑貨が並んでいます。100円ショップは脇役ではありません。小売りの主役になりつつあります。
3)ダイソー大創産業)は、1億5000万本の乾電池を売っています。これはある大手コンビ二1社の売上げの6倍にあたる巨大なものです。このダイソーも年間600店(全店舗2700)のペースで新店舗に改装します。お店のリニューアルで、おしゃれな女性客を呼び込むのです。
3、新しいお店
1)驚くのは100円ローソン。西新宿のお店にはローソンとダイソーのロゴが並んでいます。100円ローソンはSHOP99から生まれた生鮮食品と中心とした100円ショップでした。もちろんローソンが全額出資しています。エッ?なのにダイソー?なぞです。
2)ファミマは2014年度末までにコンビニ+ドラッグストアを200店出します。なにこれ?これも驚きです。相手はマツキヨではない、九州の大賀薬局、北陸のコメヤ薬局。でも今後は展開は不明です。
3)ところで、セリアやキャンドゥでマニキュアを買ったことがありますか。品質はフランスの超有名ブランドと同じ、デパートでは3000円、それが100円で買えます。
コンビニでお酒とパスタを買って合コンに、100円化粧品のメイクで参戦。帰りのゲットした彼氏とコンビニでコーヒーを飲みながら、雑談。そして、ラブ・ウォーズ(恋愛戦争)に勝利! コンビニと100円ショップを味方にすれば、不景気なんて吹っ飛びます。恐いモノはありません(「進化するコンビニ」日経3/6~3/8、「攻める100円ショップ」日経3/22.3/23、日経4/8を参考にしました)。
でもいつかは、ブランドでおしゃれして六本木のイタリアンでデートする、夢を捨てないでね。