どうしたんでしょう。社説に元気がありません。

クリエーティブ・ビジネス塾2「元旦社説」(2015.1.7)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、朝日新聞
戦後70年を迎え歴史認識が議論されている。これからは、「自虐」や「自尊」ではなく「自」が問題になる。グローバル時代の「自分」であり、グローバル・ヒストリー(世界史)のなかの自国の歴史である。「自虐史観批判」は、不当な時代を「忘却」、「誤り」への国家民族の回帰、と考えられる。中国・韓国との歴史認識の対立は、グローバル・ヒストリーとして過去を見直すことで、解決できる。

2、毎日新聞
70年前の敗戦直後の日本には明るさ希望があったが、いまの日本には不安といらだちがある。中国・韓国との対立である。日本は戦前の軍事大国、戦後の経済大国でアジアで1番だったが、いまは「強いアジア」がある。序列意識で中・韓を下に見ていないか。中・韓にも日本を下に見る意識がある。欧州には序列より並列のEU欧州連合)がある。互いを尊重し合う東アジアの連帯を展望したい。

3、読売新聞
アベノミックスは人々の心を前向きに挑戦的した。成長戦略に期待する。原発再稼働、TPP決着。経営者に積極的になって欲しい。子育て支援をし、女性・高齢者が働きやすくし、千兆円の国の借金もなくしたい。国際秩序は揺れている。安定成長への移行期にある中国と互恵関係を築きたい。安全保障では米豪との連携、辺野古移設の実現。日本はイスラム国など地球規模の問題に貢献すべきだ。

4、日経新聞
戦後70年。どこを、なにを、目指せばいいか。米国の低下、中国の台頭、権力の分散。格差の社会不安をナショナリズムで消す動きがある。ロシアのウクライナ、中国の海洋進出。さらにイスラム国、スコットランドカタルーニャ、世界秩序は揺らいでる。G7、G20に中国がAIIB(アジアインフラ投資銀行)で挑戦している。日本の歴史問題は世界が注視している。予定の首相談話では配慮が必要になる。

5、産経新聞
安倍首相の予定の談話に注文がある。「自立」と「自助」をキーワードにして欲しい。まず増税の先送りと社会保障充実の両立。つぎに政治家の議員定数削減と歳費削減の改革。そして安全保障。日米安保に眠らない。さらに慰安婦問題のメディアの責任。こうした他者依存の根源は日本国憲法にある。安倍首相に憲法改正をやって欲しい。戦後100年を目指し、「自立と自助の国」への歩みを進めたい。

日本は世界に冠たる新聞大国です。読売、朝日のような質の高い新聞が何百万部も読まれている国はありません。しかし新聞大国は曲がり角にきています。ネット社会の若い人は新聞を読まなくなりました。それに追い討ちをかけるように、昨年8月朝日新聞が「従軍慰安婦問題」で32年前の誤報を認め、新聞の権威を失墜させました。2015年元旦社説は史上最低です。お金を払うだけの、報道も主張も提案もありません。

朝日:ジャーナリストの文章とは思えない。書斎で出来の悪い学生が書いた作文。「世界史」が不明。 C
毎日:仲良くしようとすれば仲良くなれる。精神だけの美談。何を提案しているのかわからない。    C
読売:具体的なのがいい。思想ではなく知恵比べをしている。毎度の長文だが、個性が弱くなった。     B
日経:がっかり。情勢分析でおしまい。いつもの具体的な提案がない。元気がないのが心配。              C
産経:2015年元旦社説ナンバーワン。明解、具体的、提案があり。しかも思想がある。                    A