挑発的だが、中国に戦争はできない。

クリエーティブ・ビジネス塾32「中国・沖縄」(2015.8.5)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、銀座の中国人
東京・銀座が大きく変貌を遂げています。まず街並。数寄屋橋交差点では、新しい「阪急ビル(東芝ビル)」が完成間近か。銀座の中央通りでは真珠の「ミキモト・ビル」が、そして晴海通りをはさんで新橋よりの「松坂屋ビル」が建て替えられています。街は何となく風通しがいい。歯が抜けたみたい。2020年に向けて銀座は生まれ変わろうとしています。
新しくなろうとしている国際都市・銀座を歩いているのは中国人です。その数は驚異的。中央通りの新橋より、サッポロビアホール先の「ラオックス」前には旅行用のスーツケースが並び、歩道は中国人で溢れています。中央通りをはさんで、4丁目に交差点よりのユニクロも上から下まで中国人だらけです。「爆買い」。
日本経済は中国人の旅行者のおかげで潤っています。
2、東シナ海南シナ海、沖縄。
ところがその中国により、東シナ海南シナ海、沖縄が奪われようとしています。その横暴ぶりは第2次世界大戦前のナチス・ドイツのよう。ミュンヘン会談(1938)で英国のチェンバレン首相の軟弱外交がドイツを勢いづけてしまいました。中国の膨張政策に対して断固たる態度とることが必要です。
第1の問題は東シナ海。中国は日中の中間線のごく近くでガス田開発のプラットホームを建築しています。その数はすでに12カ所、さらに4カ所が建設中です。プラットフォームとは、作業員の宿舎と見られる三階建ての建物、精製工場、掘削装置、そしてヘリポートです。盗掘はもちろん問題ですが、プラットフォームは対日前線基地となって日本の安全保障環境を脅かすものになっています(「『中国の蛮行』なぜ報じないのか」櫻井よしこ 『WiLL』2015.9)。もちろん日本は抗議をしていますが、中国側は日本の要求は受け入れられないとし、さらには東シナ海ほぼ全域、沖縄トラフまでが中国の海であると主張しています。
第2の問題は南シナ海です。中国は南シナ海南沙諸島(英語名スプラトリー)の7つの岩礁を埋め立て「人工群島」を建設しています。その広さは東京ドーム170個分。中国は軍事拠点を作ろうとしています(南沙諸島はフィリピン、ベトナム、マレーシアがその領有権を争っている)。中国は近隣の国々の利益を無視し勝手な開発を進めています。人口群島建設の目的は何か。まず軍艦、監視船、軍用機を南シナ海に展開する。つぎに南沙諸島諸島を航行する外国船舶を制限する、さらに南シナ海全域に防空識別圏を設け、外国機の立ち入りに届け出を求めることです。ファイアリークロス礁では、3000m級の滑走路、タンカー、大型の軍艦が使える港が建設されています(日経7/16)。この中国の行動は”海の憲法国連海洋法条約に違反しています。条約は、領海は海岸線から12カイリ(22キロ)、漁業や資源開発の権利がある排他的経済水域EEZ)は200カイリ(370キロ)と、定めています。
第3の問題は沖縄です。「習近平は一発の銃弾も使わず沖縄を制圧」しようとしています(『迫りくる沖縄危機』恵隆之介 幻冬社)。まず翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事が中国に飼いならされていることです(前掲P.53)。知事は中国習近平主席の出身である福建省福州市の名誉市民です。習近平主席は若い頃から沖縄と深い関係にあります。つぎに沖縄の反基地運動には中国のスパイが入り込んでいます(前掲P.101)。さらには3000億円の沖縄振興予算のうち800億円が反日、親中の左翼の手に渡り、活動資金になっています(前掲P.78)。親中派自衛隊員にもいる。軍備を使わず沖縄を占拠できます(前掲P.45)。
3、中国の友人
南シナ海東シナ海、沖縄での中国の動きを見ていると憂鬱になります。中国の行動に怒りを感じても、外交や政治で私たちができることは限られています。というより何もできません。ところが気がついてみると、私たちの身の回りは中国人で溢れています。SEの長さん、ICU国際基督教大学)の大学院で学んだインテリの王さん、焼き鳥屋で商売上手の高さん、洋食レストランの李さん、そして香港には映画スターのイーキン・チェンさんとその仲間の10人以上の友達。ふだん付き合っているいるのは日本人より中国人の方が多いくらいです。国際社会では無謀な膨張を画策する中国ですが、付き合っている中国人を見ていて、かわいそうなことがあります。中国人はみな「ひとりっ子」です(香港は別)。両親と4人の祖父母の期待を担った「ひとりっ子=6つのポケットを持った小皇帝=6人の介護をしなければならない)」です。中国は「ひとりっ子」を戦場に送ることはできない。中国に戦争はできません。強い外交が必要です。