THE TED TIMES 2024-23「ELVIS and ME 2」 6/8 編集長 大沢達男
エルヴィスという「好青年」、「ゴッドファーザー」、「マザコン」。
1、南部の好青年
ナイアガラ道場のみなさん、こんにちは。
エルヴィス・プレスリーです。
今日も天国からチャネリングで、ナイアガラ道場のテッドさんが、エルヴィスになってお話いたします。
ナイアガラ道場を紹介してくれたミスター・エーイチ・オータキに感謝します。
Thank you Mr.Eiichi Ohtaki!
さて今回も映画『プリシラ』を巡ってのお話、第2回です。
プリシラに出会ったときに、「ロックンローラー・エルヴィス・プレスリーは終わっていた」、という仮説を立てました。
きょうは、エルヴィスがどういう人間であったか、ロックンローラーとして私自身を私が分析する、難しい仕事に挑戦します。
情けない話なります。お許しください。
プリシラの話に戻ります。
舞台は1959年のドイツです。
プリシラとの4回目のデートのときに言われました。
「ダディが言っています。これからもお付き合いを続けるなら、うちに挨拶に来て欲しい」。
私はすぐに同意し、父のヴァーノンとプリシラの家に行きました。
世界で一番売れている歌手、映画スターが、一般人のプリシラの家を訪れたのです。
「私は、エルヴィス・プレスリーです」。
「こちらは父のヴァーノンです」。
私はごく普通に自己紹介しました。
そしてプリシラの父親には、「キャプテン」ないしは「サー」をつけ、敬語を使いました。
プリシラの父親はすごく感動し、私を信用してくれました。
私は南部で育った好青年でした。
エルヴィス・プレスリーは、反抗する若者の人気者ということになっていましたが、私自身は古臭い人間でした。
男性中心主義で、女性には男性への忠実を求めました。
私自身は昔からの価値観をぶっ壊すロックンローラーではありませんでした、
1曲聴いていただきます。
プリシラが自宅でエルヴィスの訪問を待っているときに聴いていた曲です。
♬I was the one♫
2、グレースランド
グレースランドには祖母、父とそのパートナー、親戚、ハイスクール時代からの友人スタッフ(いわゆるメンフィス・マフィア)、たくさんの仲間と住んでいました。
10数人のビッグ・ファミリーです。
私はグレースランドというお城のお山の大将。
”The king of Rock’n Role” ではなく、”The king of The castle”(お山の大将)でした。
スタッフは、決して高くない給料250ドル/週で、働いていました。
でもステーキでもなんでも、飲み食いは自由。
さらに月末に金がなくなれば、ボスのエルヴィス、私のところに相談に来ました。
私は10万ドル、50万ドル、100万ドルでも貸してあげました。
借金はほとんど返済されませんでしたが・・・。
映画『プリシラ』でも、絶えず私の周りにいる数人のサングラスの男が、描かれています。
いとこのビリー・スミス、ハイスクールの友だちマーティー・ラッカー、家の前をうろついていて仲間になったラマー・フェイク、ハイスクールの友だちレッド・ウエスト、ドイツの軍隊で一緒だったジョー・エクスポジート・・・「メンフィス・マフィア」です。
私は「メンフィス・マフィア」のボスで、ゴッドファーザーでした。
徒党を組まず、ひとりで反抗する、鉄砲玉にような、ロックンローラーではありませんでした。
♬Jail house rock ♬
3、マザコン
困ってことに、そのお山の大将の私はマザコン、でした。
私は、プリシラに会う1年前の、1958年8月14日に母を失っています。
グレースランドは母のために建てたものです。
ですから屋根裏には、亡き母・グラディスの遺品が、たくさん残っていました。
普段着、ドレス、写真、新聞・・・。私は捨てることができないでいました。
ママのグラディスは生涯を通じて、私の価値観の中心にありました。
プリシラはあくまでママの代理。だから私はプリシラとあかちゃん言葉を使って遊びました。
どうしようもない。
ロックなんて歌えませんよね。
私は、ジェームス・ディーンが「理由なき反抗」で演じた、父と母に反抗した若者のようではなく、ママに甘えるマザコンでした。
情けない結論ですが、今日はここまでです。
Thank you very much!
Thank you Mr.Eiichi Ohtaki!
See you next time.