「日本軍を持とう」藤原正彦

コンテンツ・ビジネス塾「藤原正彦」(2010-25) 7/6塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、国家の品格
2006年の脅威のベストセラー『国家の品格』を覚えていますか。
1)長い間世界のリーダーであった近代の西欧社会は行き詰まりを見せている。
2)自由、平等、民主主義は疑問だ。そもそも論理、合理、理性で、問題は解決しない。
3)独特の文明を持つ日本人は、武士道を世界に説いて回らなければならない。
以上の主張は歓迎され、空前の300万部が売れました(『1Q84村上春樹は、3册で400万部)。
その藤原が勤務先の「国立」お茶の水女子大学を退官し身軽になり、『国家の品格』の主張をより具体的にした、「日本国民に告ぐ」(『文芸春秋』2010.7月号)を発表しました。
その論旨は、日本は米国に洗脳されている戦後体制から脱出しろ、1)東京裁判の批判、2)現憲法の改正、3)日本軍を持て、米軍依存をやめろ、と言うものです。今回の藤原の主張は、朝日新聞がビビり、毎日も読売もたじろぎ、産経新聞ですら驚くものです。しかしその主張は数学者藤原らしく、論理的で実証的です。『国家の品格』以上に、耳を傾ける価値があります。
2、なぜならばの証明。
1)検閲と洗脳
私たちは戦後、自由と民主主義のもとで育ったと信じ、教えられてきましたが、それはウソです。GHQ(総司令部)は戦後の日本の言論を私信にいたるまで厳しく検閲し統制していました。「検閲」の事実は秘密にされ、驚くべきことに日本人の大学教授、ジャーナリストが高給を受け取り検閲に協力していたにもかかわらず、だれもがその事実をいまだに明らかにしていません。
さらにWGIP(War Guilt Information Program=戦争についての罪の意識を日本人にうえつける宣伝計画)で、日本の歴史を否定し日本人の魂を空洞化しました(『閉ざされた言語空間』江藤淳 文春文庫)。検閲と洗脳は成功しました。現在ではGHQの方針を日教組が継承実行しています。
2)日本国憲法
憲法はSCAP(連合国最高司令部)によって起草されたものです。この事実を明らかにすることも検閲の対象でした。現在の日本には、「戦力を持っていない」、日本の駆逐艦は米軍に助けられても「助けることはできない」、子供にもわかるいかさまがあります。さらに教育勅語は廃止され、教育基本法が制定されました。そして万世一系を保つのが困難になるような皇室典範が定められました。
3)侵略戦争
藤原は、さらに過激です。日中戦争の基本はスターリンソ連)の陰謀、日本は挑発に乗り目的もない戦争に引きずり込まれていった。そして日米戦争は、ルーズベルト米大統領の陰謀。戦争の引き金になった「ハルノート」は、コミンテルン共産主義組織)のスパイが書いたもので、日本は戦争以外の選択肢がないところに追い込まれた。日中・日米戦争ともに、侵略戦争ではない、自衛戦争である。日本の「世界征服の責任」を問うた東京裁判は、単なる復讐劇でしかない、と決めつけます。
3、教育勅語
オバマは大統領就任演説で、祖先が自由のために独立戦争を戦ったように、いま立ち上がろう、未来から評価されるように、と語りかけました。私たちはうらやましいと思いました。日本には誇るべき歴史がない・・・。違います。私たち日本人は祖国に誇りが持てないように洗脳されてきただけです。
1)フリーターのみなさん。学問を学び、手に職を付け、知能を啓発し、徳と才能を磨き上げ、世のため人のために進んで尽くしましょう。
2)お母さんになるみなさん。私たちは父母に孝行、兄弟仲良く、夫婦協力、友と信じ合うことで美しい国を作ってきました。次の時代の担い手をあなたの手で育ててください。
3)自殺を考えるみなさん。祖国の危機には勇敢に立ち上がり、繁栄に尽くしてください。それこそがご先祖が残したよき伝統です。これを相続しなければ子孫の幸福はありません。
試しに「教育勅語」を参考にすればこうなります。そして私たちは、祖国の歴史と誇りを取り戻し、「富者も貧者もいない、正直と質素の黄金時代」(タウンゼント・ハリス)へ戻らなくてはなりません。