堀江、村上、木村。すべて逮捕。

コンテンツ・ビジネス塾「拝金」(2010-27) 7/20塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、ホリエモン
堀江貴文ホリエモン)をご存知ですか。ホリエモンは現代のヒーローです。タレントの木村拓哉、相撲の貴乃花、マラソン高橋尚子と同じ1972年生まれ、日本の団塊ジュニアを代表するビジネス界でのスーパースターです。無一文から、買収したライブドアの事業を成功させ、IT長者に成り上がりますが、突如として06年1月に逮捕され、ビジネスの表舞台から消されます。あれから4年半、堀江被告は裁判の途中ですが、精力的に著作活動を続けています。そしてこのたびついに小説を書きました。そのタイトルは『拝金(はいきん)』(堀江貴文 徳間書店)。金儲け主義、市場原理主義者などの、堀江批判をあざ笑うかのような、刺激的なタイトル。他人から預けられた200万円を元手に億万長者になっていくある若者のストーリー。既成の価値観に挑戦し、大人社会に異議を申し立てる、音楽でいえばパンクロックですが・・・。
2、『拝金』のメロディ
ホリエモンは清くシャウトします。しかし酒と女になると、ダサイ演歌歌手に成り下がります。
1)日本へのNO
プロ野球球団経営・・・危ないのは球団ではない親会社の経営である。なぜなら球団経営のお金は丸ごと連結決算で親会社の広告費として経費扱いができる。相殺できる黒字分がないと球団経営が重くのしかかる。このことを指摘したのはホリエモンでした。そして現在の楽天ソフトバンクの球団経営につながります。○テレビ局・・・民放テレビはただ同然の金で公共電波を私物化している。その金額は全局で70億円という安いもの。談合です。日本の電波をオークションにすれば3兆円が国庫に入ることになる。談合のメディアに権力の監視はできない。しかも電波で財政が好転するのです。○記者クラブ・・・政府や役所の取材は記者クラブに加盟していないとできない。もちろんイギリスのBBCアメリカのCNNも取材できない。記者クラブカルテル(不当な企業連合)です。いずれのホリエモンの主張はいまも堂々と通用するものです。
2)ワイン(酒)
小説『拝金』の貧しい主人公が金儲け指南のIT長者からまずごちそうになるのが、グラスで2万円という「シャトー・ディケム」という白ワイン。さらにヒルズ族のパーティーでは、世界最高峰の赤ワイン、「ボルドー5大シャトー」(シャトー・ラトゥールシャトー・マルゴー、シャトー・ムートン・ロートシルト、シャトー・オー・ブリオン、シャトー・ラフィット・ロートシルト)のカクテルを楽しむ遊びがあります。3万円前後の高価なワインの味をあえて味を損ねて飲むのです。そして主人公が高級カラオケボックスでなにげなく口にしたのがシャンパン、「アンリ・ジロー」12万円。ヒルズ族の酒は悪趣味です。
3)女
パーティーの質は集まる女の質によって決まります。○女優はレア中のレア。○モデル。○アイドル。○読モ(読者モデル)OL。○ミスキャンパスの女子大生。OLや女子大生の場合は、食べて飲んで、シティホテルに行って、車代をあげて1発10万円也。巨乳系のグラビアアイドルは、胸(下乳)がかぶれています。なぜか。ガムテープで寄せてあげているから。ヒルズ族の女は幼児趣味です。
3、有罪か無罪か
10年7月に金融コンサルタント木村剛(きむらたけし)が逮捕されました。これで世の中を驚かしたビジネス界の平成三羽がらす、堀江貴文村上世彰村上ファンド、現在上告中)、木村剛(元日本振興銀行社長会長)、すべて逮捕されたことになります。三人はともに東大出身、しかも村上は元通産省、木村は元日銀のスーパーエリートです。さらに木村はコンプライアンス法令遵守)の専門家、となると単なる犯罪とは考えられません。権力深部での、新と旧の戦いが想像されます。
堀江貴文被告への容疑は、「有価証券報告書への虚偽記載(粉飾)、風説の流布」というものです。1、2審とも有罪、現在最高裁へ上告中です。小説では、不正はあったしかしそれは二人の幹部による裏切りによるものであった、と内幕を暴露しています。もちろんそのことは法廷で主張されるでしょうが。社長が部下の不正の責任から逃れることができるのか。判決が注目されます。