AKB48は、現代の神です。

クリエーティブ・ビジネス塾42「AKB48」(2012.10.23)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、神
「(AKB48は)キリスト教イスラム教みたいな『世界宗教』になり得る」(濱野智史『AKB白熱論争』P.212 幻冬社)。「なぜAKBが恋愛禁止なのかというと、これは神父が妻帯を禁じられているのと近い」(中森明夫 前掲P.152)。「AKBでやっていることは、結果的に、資本主義の力を使って世の中のシステムを自動更新していくモデルに近づいている」(宇野常寛 前掲P.205)。「AKB48を通して、社会を語り、政治を語り、資本主義を語り、実存を語り、宗教を語る」「AKB48のすごさを我々は『マジ』で知ってほしいのだ」(小林よしのり 前掲P.5~6)。そして、「AKBにはまさに『サリンを撒かない安全なオウム』みたいなところがあって」(濱野 前掲P.125)、これが結論です。
オウムとは、自分探しをしていた真面目なの若者がある教祖に帰依するようになり、その結果大量殺人の犯罪を犯すようになってしまった、反社会的なカルト(熱狂的に崇拝)教団のことです。
日本の若者もおじさんも、「自分探しの長い旅」の果てに、AKB48にたどり着いたということです。生きるとは何か。生きがいとは何か。人生の目的とは何か。自分らしさとは何か。さまざまな問いに、AKB48が答えてくれるからです。
2、アイドル
AKB48とは、AKihaBara(秋葉原)で誕生し活躍する48人のアイドルググループ、の意味です。秋葉原にはAKB劇場があり、ほぼ毎日、公演があります。メンバーの数は200名以上、いろいろなグループに分かれて活動しています。
1)秋元康・・・AKB48をプロデュースしているのは秋元康(1958年生まれ)です。秋元は天才です。
1985年からのテレビ番組『夕焼けニャンニャン』で、おニャン子クラブを売り出して以来、現在のAKB48まで、アイドルの専門家として世の中を動かしつづけています。なぜ天才か。彼の作詞を見ればわかります。彼の作品にはかならず新しいコンセプトがあります。他人のマネ、自分のマネがありません。そこから、「セーター服を脱がさないで」や「なんてってアイドル」が生まれました(『秋元康詩集 僕の君』CBSソニー出版)。
2)AKB48劇場・・・AKB48のコンセプトは「会いに行けるアイドル」です。ほぼ毎日公演が行われています。そのホームグランドがAKB48劇場です。場所は「オタク」と「萌え」の聖地、秋葉原。収容は250人、入場料を安く設定し、アイドルとファンの交流を第一に考えています。
3)総選挙・・・AKB48と関連グループの全員(現在は237名)が立候補し政見放送をし、ファンの投票で、選抜メンバー16名、アンダーガールズ16名、ネクストガールズ16名、フューチャーガールズ16名、計64議席を選びます。投票権は、所定のシングルCDを買ったもの、およびファンクラブのメンバーに与えられます。今回の選抜メンバーは、大島優子渡辺麻友柏木由紀指原莉乃、篠田麻理子、高橋みなみ、小島陽菜、板野友美、松井珠里奈、松井玲奈、宮沢佐江、河西智美北原里英峯岸みなみ横山由依梅田彩佳でした(前田敦子は立候補を辞退)。総選挙は日本中が注目する、人間的な「ガチ」を引き出し、マジで夢を語る、もっともAKBらしい、イベントです。
3、天皇
『風は吹いている』のPVのメンバーは、白いワンピース姿。髪を全員がアップにまとめ、メタリックなバックで聖女のように踊ります。「絶望の中に光がさす」「どこかに神がいるなら」「できることから始めよう」「私は強く生きて行く」。
『RIVER』のPVでは、迷彩服で輸送機に乗り、ジャングルで渡河作戦を敢行します。河の中を少女たちが進軍します。「前へ進め、立ち止まるな」「真っすぐに1歩を踏み出せ」。
AKBでは恋愛を禁止しています。なぜならAKBは生き方に迷っている若者たちを導く、聖職者だからです。AKBはマジで努力します。その生き方は私たちのお手本です。なぜならAKBはアイドル、私たちのあこがれだからです。
聖職者で、あこがれの人・・・そういう人が日本の歴史にいました。「天皇」!です。と、なると、AKBは天皇陛下と同じ???あれ・・・あれれ・・・変な結論になってしましました。