TED TIMES 2020-37「コロナ7」 5/27 編集長 大沢達男
なぜ日本では新型コロナウイルスの感染者数が少ないのか。その理由を考えてみましょう。
1、ファクターX
「日本におけるコロナ感染がゆるやかなのは理由があるはず、それを僕は仮に『ファクターX』と呼ぶ」、とノーベル賞の山中伸弥博士が仮説を提示しています。
1)マスク、入浴など清潔意識が高い。2)ハグ、握手をしない、大声で話さない。3)BCGワクチンが感染や感染後の重症化を防いでいる。4)新型コロナウイルスは中国から伝播し日本人は免疫を持っている(上久保靖彦京都大学特定教授の説)。今年の1月には中国から百数十万人の観光客が来日している。
2、淡白な日本人
○2月25日の感染者数。中国7万7658人、韓国977人、イタリア283人、日本170人、イラン95人、米国35人、オーストラリア22人。○4月27日の感染者数。米国98万人、スペイン23万人、イタリア20万人、ロシア8.7万人、中国8.4万人。日本1.4万人。2ヶ月で米国は3万倍、イタリアは1000倍、日本は100倍の患者数が増えています。そして5月10日にはロシアとブラジルで感染者が爆発的に増えています。なぜ感染者数が増えるのか。新型コロナウイルスが何者か、わからないからです。
「ウイルスに感染しても症状の出ない人がかなりの割合でいる。次に人とから人に感染が広がっていく感染連鎖が見えない。さらに潜伏期間でも感染する。つまり封じ込めができない。負け戦でしかない」(2/3 押谷仁 東北大学教授)。「2月中旬の段階では大丈夫だと思い、いつも通り京都マラソンにも出場していた」(4/20日経 山中伸弥京大教授)。「新型コロナウイルスは、季節性のインフルエンザとは段違いの恐ろしさがあるということです。僕がそのことに気がついたのは2月末ぐらいでした(『文藝春秋』6月号 山中伸弥京大教授)。「物理、化学は論理的で全体の形が確立しているが生命科学はわからないことが多すぎる未熟な学問だ。たった一つの変わったウイルスが出てきて世界がひっくり返るようになる」(4/9 本庶佑京都大特別教授)。
ではなぜ、米国、スペイン、イタリア、ロシア、ブラジル、特定の国々で感染が増え、日本では増えていないのか。素人考えで想像できます。コロナは接触、飛末、飛沫核で移る、濃厚接触がダメ。ロシアの爆発的な感染拡大で思い当たります。ロシア人は毎週16回セックスをする。毎日2回、土日は3回、だから16回、濃厚接触が生活習慣です。そして、米国、スペイン、イタリア、ブラジル。握手、ハグ、キッス、セックス。濃厚接触の国々で感染拡大が進んでいます。
対して日本は淡白。なぜ日本の感染者数が少ないのか、ファクターXの一つは想像できます。日本人が性に対して淡白だから。
3、皇室のある日本人
『サピエンス全史』のハラリ氏は、感染症を封じ込めるために、「全体主義的な監視」か、「市民の権限強化」か、の選択肢があると言います。全体主義的な監視とは、中国です。
1)最初の原因不明の肺炎患者は12月8日もしくは12月12日(日経1/10、1/26)。中国政府の調査団により「新型コロナウイルス」が発見されたの1月10日です。2)武漢の封鎖は1月23日です。しかし春節は25日、武漢が封鎖される前に500万人の市民が、中国全土へ世界へ旅立っていました。3)武漢は1911年清王朝が倒された辛亥革命が始まったところ、新型肺炎を目撃し告発し自ら命を落とした李医師は、皇帝によって迫害された清廉潔白な儒学者のように、歴史的人物と同列に語られるようになる。中国政権の天命は尽きた(FT ジャミエール・アンデリー二)。4)(大機小機)中国には「防火長城」(グレートファイアーウォール)がある。ネット空間を24時間見張り、体制に不都合な情報を片っ端から削除する。中国はドローンでの監視という強権的手段で外出禁止、ロックダウン(都市封鎖)をしました。
対して日本。4月8日に緊急事態宣言をしますが、外出禁止、営業停止はあくまでも自粛です。
結果はどうだったでしょうか。街から人は消え、電車はガラガラになり、商店街のシャッターは下ろされました。何より驚くには、不要不急の外出でも、みんながマスクをしていることです。
なぜ日本人は協力するのでしょうか。お天道様が見ているからです。共同体の一員として恥ずかしいことはできないからです。お天道様とは天照大神、天皇です。天照大神は、強権で人民を支配するのはなく、情報を共有し協力して国造りをする道を、お示しになりました。日本にはその伝統があります。それが皇室です。
日本は感染者数が少ないのか。ファクターXの2つ目の答えが皇室の存在です。