『新型コロナとワクチンのひみつ』(近藤誠 ビジネス社)をどう読むか。

TED TIMES 2021-15「新型コロナワクチン」 4/8 編集長 大沢達男

           

『新型コロナとワクチンのひみつ』(近藤誠 ビジネス社)をどう読むか。

 

1、新型コロナのワクチンを接種すべきか。・・・すべてのワクチンは疑問です。天然痘ワクチンの種痘(1976年に中止)、結核ワクチンのBCG(川崎病の原因である可能性がある)、インフルエンザワクチン(ワクチン禍により1994年集団接種廃止)・・・それぞれ勝利の影に悲劇がありました。新型コロナワクチンも同じです。ホームラン王、ハンク・アーロン(86歳)はモデルナ・ワクチン接種後17日後に急死(p.219)するなど、さまざまな事故を起こしています。副作用はともかく、ワクチンは有効なのか。それも変異株の登場により、イタチごっこになる可能性があります。

ワクチン接種を受けるべきか、迷います。すべてのワクチンは、接種義務ではなく任意接種、努力義務も接種・非接種の権利自由が大前提(p.233)、理論的には近藤先生の説に納得しますが、「俺はワクチン接種を受けない」と親戚、隣近所に宣言することはできません。マスクをせずに外出できません。

2、解熱剤を飲んではいけない(p.118)。・・・「新型コロナの症状が、長引くのも解熱剤を使ったためである可能性が高い」(p.132)。ウイルス感染では体温が高い方が有利です。体温が高いと1)ウイルスの活動が鈍り、2)免疫システムの働きは盛んになります。解熱剤とは、NSDIDs(エヌエスエイズ=非ステロイド性抗炎症薬)です。熱を下げますが、ウイルスの活動を活発にします。

3、戦後最大規模の薬害事件になる可能性(p.127)。・・・1990年代の日本の脳炎、脳症の発生も、NSAIDs(エヌエスエイズ=非ステロイド性抗炎症薬)が原因であると推定されます(商品名:ボルタレン、ボンタール)。厚労省は認めていません。解熱剤がインフルエンザ脳炎・脳症の原因ではない「重症化因子」であると言い続けています(p.125)。解熱剤が脳症の発生因子と認めれば、製薬会社、医師、厚生省は総崩れになります。風邪薬、総合感冒薬も飲んではいけません。

4、新型コロナ肺炎が重症化するのは、サイトカインストーム(免疫の暴走)である。その原因は薬。・・・サイトカインストームで1)肺細胞が傷つき、2)他方で血管内に血栓が形成されて、心筋梗塞脳梗塞が起きます(p.64~5)。服用したクスリがサイトカインストームの原因であると考えることができます(p.67)。

5、スペイン風邪・大量死の原因は薬害だった。・・・1918年世界の人口が20億人の時代に5億人が感染し、2000万人から1億人が死亡したスペイン風邪があります。1911~15年のアメリカのインフルエンザによる死亡率を見ると、4歳以下と50歳以上の高齢者が高い。ところが1918年のスペイン風邪では25~34歳という若者の死亡率に一つのピークがある。これはウィルスの凶暴性で説明されてきましたが、幼児と高齢者の曲線は11~15年と変わっていない。説明は間違い。大量死の原因はアスピリンです(p.107)。しかし日本の権威たちは、アスピリン説をとらず、ウイルスの毒性だけを強調しています(p.108)。

6、PCR検査は、あてになならない。・・・PCR検査とは、Polymerase Chain Reactionのことです。綿棒で鼻咽頭液を取り出し、時間をかけてウイルス遺伝子を複製し、増えているかを確かめる、驚くべきほどアナログな検査法です。まず、偽陰性率は30%もあります。綿棒で拭いとれなかった、ウイルスが少ない時期だとすくい取れない、からです。そしてていねいにPCR検査をするほど、偽陽性率が増えるジレンマがあります。遺伝子を倍にする操作をサイクルといいますが、30サイクルで10億倍になります。ところが日本の検査場では40サイクルが普通です。ウイルスは死んでいる、感染能力をもっていない。偽陽性率が高いのです(p.34~7)。

7、マスク、手洗いは関係ない。・・・マスクをつける、マスクと手洗い、何もしない。3者の感染状況の比較実験があります。差がでません(p.240~1)。ウイルスの感染経路は、飛沫感染接触感染、空気感染です。エアゾル、5マイクロメートル(新型コロナウイルスの50倍)より小さな粒子も、マスクを通過します。デンマークのマスク有り無しでの感染状況の比較実験でも差は出ませんでした(p.241)。

8、長風呂はよくない。・・・交通事故の5倍の人が、入浴中に死亡しています。体温が高いと免疫力がつくは俗説です。熱があるのは病原体がある証拠です。高齢者の入浴とくに長風呂は、コロナ以上に危険です(p.253)。

9、早く感染する、勇気を持とう。・・・だれもが新型コロナに感染します。ところが感染対策に成功すればするほど、感染する時期は先にのびます。自粛生活の味気なさは何でしょうか。高齢者は歳をとるほど、身体機能が落ち、新型コロナへの抵抗力も低下します。近藤先生の結論。なるべく早く感染してしまう。もし重症化してしまうなら、それは定めとして受け止める。なるほど、遊びをせんとや生まれけん。

(注:私は、2021.5.26 モデルナ・ワクチンを大手町の自衛隊東京大規模接種センターで受けました。2回目の接種は6.30になります)