戦後80年、皇室伝統とハイブリッド思想(東洋と西洋の複合思想)が、日本の行く道です。

THE TED TIMES 2025-36「戦後80年」 9/17 編集長 大沢達男

 

戦後80年、皇室伝統とハイブリッド思想(東洋と西洋の複合思想)が、日本の行く道です。

 

1、リベラリズムの敗北

第二次世界大戦後に米国は思い通りの世界秩序を形成します。

1)国連憲章を、基本的人権・人間の尊厳・男女平等のリベラリズムの価値観で、制定した。

2)国際機関として国際通貨基金IMF)と世界銀行を創設した。

3)関税貿易一般協定(GATT)に参加し、欧州と日本の戦後復興を支援した。

4)北大西洋条約機構NATO)を創設し、安全保障を強化し軍事侵攻に備えた。

さらに「トルーマン・ドクトリン」では外部の圧力に抵抗している自由な国民を援助することが米国の政策であると議会で宣言されました(バリー・アイケングリーン 米カリフォルニア大バークレー校教授 日経8/10)。

しかしこの世界秩序はトランプ大統領により現在否定されています。

そればかりではありません。

まず国連憲章自体が疑問視されています。リベラリズムは、人類普遍の真理ではなく米英の核家族イデオロギーでしかない、ことが明らかにされたことです。

人権、自由、平等のリベラリズムの押し売りは、世界で紛争のもとになっています。

つぎにNATOは、現在のウクライナ戦争の原因になっています。

1990年ドイツ統一の時、米欧はNATOを1センチたりとも東方に拡大しないと約束しました。

にもかかわらず、なし崩し的にかつての東社会を侵略し、とうとうかつてソ連邦の一員であったウクライナまでNATOに加盟させようとしました。

ロシアが怒るのは当たり前です。リベラリズムこそが帝国主義です。

戦後米国から与えられた日本国憲法は米国の独立宣言を同じ文章が含むリベラリズム憲法です。

まず「基本的人権」って何でしょう。

私たちの伝統には、「山川草木悉皆成仏」(ものみなほとけになる)、「衆生無限請願度」(生きとし生けるものをしあわせにしたい)があります。

つぎに「人間の尊厳」とは何でしょう。

私たち日本人は、天皇の大御宝(おおみたから)、天皇の宝ものです。

さらに「男女同権」とは何でしょうか。

日本の国は女性の天照大神が作りました。さらには世界最古の小説『源氏物語』の作者は女性の紫式部です。

リベラリズムの様々な権利とは、侵略、殺戮、奴隷、人種差別、魔女裁判の西欧に生まれた概念です。

さらに「戦力を持たない」憲法とは、日本が二度と米国と戦争ができないようにしたものです。

戦後80年、まずリベラリズム日本国憲法を改定しなければなりません。

 

2、二宮尊徳

戦後80年の経済は、1)高度成長期(55~70)、2)安定成長期(70~90)、3)長期停滞期(90~2010)に分けて考えることができます(深尾京司 経済産業研究所理事長 日経8/13)。

なぜ経済が停滞しているか。技術導入支援がされておらず、労働生産性の上昇に注力されてなく、逆に労働力の質の低下しているからです(深尾理事長)。

また成長期に活発だった研究開発費が、経済が停滞し始めた90年代から停滞的になっているからです(岡崎哲二 明治学院大学教授 日経8/14)。

「戦後80年の節目に」(日経の特集記事)で際立った主張をした論者いました。

牧野邦昭慶應義塾大学教授です。

その結論は日本人は「大きな政府」ではなく「小さな政府」を好むというものです。

3公社の民営営化を押し進めた中曽根康弘内閣、郵政民営化を断行した小泉純一郎内閣は世論の大きな支持を得ました。

税や社会保険料の国民負担率は他の先進国に比べて高くありません。

1960年代には経済成長とともに毎年減税が行われています。

「日本型福祉社会」は、個人と家族の自助努力を前提に、地域や企業や福祉の担い手になっています。

対して戦前の総力戦のために政府の経済介入は不評でした。

戦後のGHQの背景にした強引な徴税も反発がありました。

また第1次石油危機以後は財政悪化で減税は行われなくなります。

さらに第2次安倍晋三内閣は消費税を2度上げ、「大きな政府」よりの政策を推進し不評を買いました。

「小さな政府」の思想の原点には江戸時代の二宮尊徳があると、牧野教授は指摘します。

二宮尊徳の教えとは、「至誠(しせい)」です。誠(まこと)、徳(とく)、仁(じん)です。

つぎに「勤労」です。至誠はこころ、勤労は行動です。

そして「分度(ぶんど)」です。ゼイタクを慎むことです。

さらに「推譲(すいじょう)」です。他人に譲ること、差し上げることです。

二宮尊徳は、荒廃した農村を再建するために、農民の自助努力を説きました。

「貧しいのは怠けていあるから」という通俗道徳が形成されました。

日本人の「小さな政府」思想は、二宮尊徳近江商人の「店よし、客よし、世間よし」の「三方よし」と、西欧の市場主義・古典派経済学とのハイブリッド(複合)思想です。

 

3、日本の復活

戦後80年の日本の課題は、まず日本の伝統を無視した日本国憲法改正、つぎに研究開発・技術革新・労働生産性向上で停滞する経済からの脱出、そしてもうひとつ深刻な問題があります。

経済学者・成田悠輔が提案する「高齢者集団自決」です。

高齢者が人口の30%になり、高齢者が老害化している、高齢者は集団自決、集団切腹をすれば、現在の日本の課題は克服できるというものです。

それに付随して筆者が指摘したいのは、「若者の自殺」です。

15歳から39歳の死因の第1位は自殺です。毎年3万人以上の若者が自殺しています。もちろん先進国G7の中でも日本だけの異常な事態です。

高齢者老害とは、学生運動団塊の世代リベラリズムの主張をし、日本の歴史と伝統を次の世代に伝えていないからです。

若者の自殺とは、リベラリズム教育基本法により、日本の歴史と伝統を教育されてこなかったからです。

西欧風の個人主義で育てられた若者は、社会から孤立し、自らの命を自分探しに委ねています。

忘己利他(もうこりた=自分の利益ではなく他人の幸福に尽くすこと)、自利利他(じりりた=自分の利益とともに他者の幸せを実現する)を知りません。

歴史社会の中での自分の存在意義を教育されてきませんでした。

一言で言うなら「天皇が国体である」教育を受けてこなかったからです。

こんなことをいうと、復古主義の右翼とされ排外主義の国粋主義者とされますが、それは歴史を知らない者の発言です。

 

まず、天皇を西欧の王や皇帝と比べることはできません。

天皇は、「うしはく」、つまり国民を所有し統治する存在ではなく、「しらす」、国民を知り、国民と一体化する存在でした。

次に、天皇は、古事記日本書紀、そして万葉集から始まる日本文芸と日本語の歴史の中心にあります。

念のためにひとこと付け加えておきます。

靖国神社参拝は、全く問題ありません。

1953年の国会決議で戦犯の全ては赦免されています。死刑は「公務死」、戦犯に「恩給」も支給されています。

ですからA級先般も靖国神社に合祀されいるわけです(2005年の国会質問で野田佳彦が明らかにしている)。

そして、国粋主義者の排外主義は天皇と日本文化になじみません。

日本語と日本文化の歴史は、内と外のハイブリッド(複合的、異種の組み合わせ)歴史です。

中国からの輸入品「漢字」からカタカナ、ひらがなが生まれたのがその象徴です。

日本人は神道にプラスして、仏教をさらに儒教を取り入れ、さらに西欧の立憲思想・経済思想、加えて民主主義思想のリベラリズムすら取り入れてきました。

 

エコロジー」もいいですが、日本には「山川草木悉皆成仏」(ものみなほとけになる)という教えがあります。

レッセフェール」もいいですが、日本には「至誠、勤労、分度、推譲」の二宮尊徳の思想があり、「三方よし」の近江商人の思想があります。

さらに「デモクラシー」もいいですが、日本には「寄り合い」があり、多数決という乱暴はなく、徹夜で議論し合意点を見出すという流儀があります。

日本は、国内では万世一系の皇室伝統で大和民族の誇りを取り戻し、国外は東洋と西洋のハイブリッド(複合)思想で新しい時代を切り開くべきです。

 

End