大人になるために日経を読もう

コンテンツ・ビジネス塾「日本経済新聞」(2008-15) 4/15 塾長・大沢達男
1)1週間分の日経、ビジネスアイとFTが、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)あすの仕事につながるヒントがあります。4)毎週ひとつのキーワードで、実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、日経を読もう。
新しい学校に進学した人、就職できた人、おめでとうございます。進学した人は仕事への準備が始まります。就職できた人は仕事とのつき合いが始まります。仕事への準備とは何でしょうか。それは大人の話題の仲間入りをすることです。ゲームやって、アニメの話して、サッカー見に行って、合コンやって、という仲間内だけの話題から卒業することです。親、先生、先輩、会社の同僚、上司、大人と共通の話題を持つようになることです。
大人と共通の話題を持つとは、ニッケイ(日経、日本経済新聞)を読むことです。大人が日経を読んでいるからです。嘘だと思ったら駅の売店に行ってください。多分驚くでしょう。日経以外の新聞は、タケノコといって、ラックに丸めて差し込んで売られています。ところが、日経は平積みで売られています。スペースがない売店では、日経のタケノコが2本も3本も伸びているはずです。高度成長時代の大人は、エロ記事目当てにスポーツ新聞を読んでいました。左翼勢力に共感していた大人は、朝日新聞を読んでいました。時代は変わりました。いまの大人は日経を読んでいるのです。そして、キャリアを積むのに積極的な女性も日経を読んでいるのです。
2、日経の楽しみ方。
まず楽しめるのは、日経が日本文化新聞であることです。最終面には、私の履歴書があります。毎月ひとりの人生が語られます。現在は女優から政治家に転身し、参議院議長まで経験された扇千景さんの分が進行中です。ここだけ読んでも、ずっしり重い。日経を読んでいるといえます。つい先頃は森光子さん。衝撃の告白が連続しました。女性週刊誌なんていりません。私の履歴書は単行本になっていますが、伝説のヒット作に政治家「田中角栄」があります。日本の若者はもはや田中角栄を知りません。しかし田中角栄をぜひ勉強してください。日中の国交回復を成功させた人です。中国の若者は、偉大な日本人・田中角栄を教科書で読みますから、みんな知っています。
「なにか悪いことをしましたネ」「悪いことなんかしないよ」「もし悪いことをしていたら、おかあさんはお前といっしょに鉄道の線路の上で死にます」(昭和41年2月掲載)。
田中角栄、少年の日の母を回顧する下りです。文芸評論家小林秀雄がほめたという、名文です。
つぎに、日経は日本学習新聞であることです。とくに経済教室は切り抜いて何度も読むに値するものです。「温暖化防止。ビジョンを問う」(平成20年3月掲載)では、4人の学者の異なった意見が掲載されました。だれが、温暖化防止に腰が重い産業界に味方する御用学者なのか、わかってしまったのです。「やさしい経済学」の連載も切り抜き用です。坂村健西垣通、奥野卓司先生の最新の講義を受けられるのですから、ぜいたくなものです。
そして、日経は日本国際新聞であることです。日経は朝日、読売より多くの記者をニューヨークとロンドンに派遣しています。世界からのニュースの量と質が違います。英エコノミスト誌が書いた「JAPAiN」(苦痛に満ちた日本)、失敗の日本への処方箋は日経にあるのです。驚くべきは、FRB議長(米連邦準備理事会)を退任したばかりのアラン・グリーンスパン私の履歴書を2008年1月に掲載したことです。これには世界がアッと驚いたはずです。
日経は、日本経済新聞だけではありません。文化でも、学習でも、国際でもトップを走る新聞です。
3、ネットで読めない日経。
日本は世界1の新聞大国です。読売1,000万部、朝日800万部、毎日390万部、産経210万部、日経300万部。世界ではどうでしょうか。ウオールストリート・ジャーナル200万部、ニューヨークタイムズ100万部、ワシントンポスト70万部、イギリスのタイムズ70万部、フィナンシャルタイムズ40万部。
英国にも200〜300万部のサンやデイリーメールがありますが、写真を大きく扱ったスキャンダルのタブロイド紙です。新聞大国・日本の中でも、日経は反逆児です。駅売りと海外売りで圧倒しているのです。駅売りは読売の3倍、朝日の7倍。海外では朝日の2倍。経営企画のトップの93%が日経を読んでいる調査結果も出ています(週刊東洋経済4/12)。新人君のあなた、ネットで新聞読むから、日経カンケイねーですか。残念、日経の記事の7割は無料のウェブサイトでは読めません。