かっこいい。ゲイツとバフェット。

コンテンツ・ビジネス塾「ゲイツとバフェット」(2008-27) 7/8塾長・大沢達男
1)1週間分の日経、ビジネスアイとFTが、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)あすの仕事につながるヒントがあります。4)毎週ひとつのキーワードで、実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、ビル・ゲイツ
マイクロソフト(MS)会長のビル・ゲイツが、経営の第一線を退き、慈善団体の仕事に専念します。ビル・ゲイツは1955年生まれ、1975年にMSを立ち上げ現在の繁栄を築き上げました。ビル・ゲイツを知らない若者が増えてきました。そこで、天才ビルの少年時代の伝説を紹介します。
11才。聖書の「山上の垂訓」を間違えずに暗記し、牧師を驚かせます。抜群の記憶力です。19才。8週間、毎日20時間以上、プログラムを書き続けます。世界初のパソコン・アルテアのためのベイシックをポール・アレンとともに完成します。天才プログラマーです。ビルはシーツで寝たことがありません、どこででもアッという間にぐっすり眠りました。さらに、プログラムを売り渡してしまいませんでした。1台のパソコンが売れるごとにプログラムの料金をもらう契約を結びます。辣腕の営業力です。そして21才。ポルシェ911のスピード違反で逮捕され、保釈金1,000ドルで保釈されます。が、ポルシェのディーラーにクレームをつけています。カタログに書いてある最高スピードはウソだ。200キロしか出ない。髪はいつもぼさぼさ、大きなメガネをかけ、肩にはフケがいっぱいで、(女子学生にモテない)超オタクだったのです(「ビル・ゲイツ」ウォレス&エリクソン 奥野卓司監約 翔泳社)。
ビル・ゲイツは、20年近く、米フォーブス誌が発表する長者番付で、米国のナンバー・ワン。ところがあるとき、ビルを抜いてトップに立ち、他はほぼ2位にいる気になる人物がいます。それが最強の投資家であるウォーレン・バフェットです。
2、ウオーレン・バフェット
ウォーレンは、1930年生まれの投資家、ビルとは25才の年齢差。ところが二人は無二の親友です。
ウォーレン・バファットとは何者か。11才。ウォーレンは始めて株式投資をします。ある会社の株を38ドルで3株買い、40ドルで売り抜け6ドルの利益をあげます。22才。ベンジャミン・グレアムの「賢明な投資家」を読み感銘します。「投資」とは企業の本質価値を見極めることで、相場動向に惑わされた「投機」をしてはならない。59才。コカ・コーラ筆頭株主に。なぜ投資したのか。それは株主向けに発行された年次報告書を読み、企業の本質価値に注目したから。ウォーレンは、ウォールストリート(金融街)に対するメインストリート(大衆街)の勝利として評価されます。投資にむずかしい知識はいらない。だれもが読める年次報告書を何冊もていねいに読めばいいのです。そして、ウォーレンはコカ・コーラ株の取得について、もうひとつ理由を付け加えます。1985年にコカ・コーラ社が発売した、チェリー風味の「チェリーコーク」が好きだから。トランプゲームのブリッジを愛する78才のウォーレンもちょっぴりオタクなのです(「最強の投資家バフェット 牧野洋 日経ビジネス文庫)。
3、ビル・ゲイツウォーレン・バフェット
世界の長者番付のトップの2人が、大学生の前で対話し、本とDVDになり話題を呼んでいます(「バフェット&ゲイツ後輩と語るー学生からの21の質問」センゲージ・ラーニング 同友館」。
ワイシャツ姿で、ジョークを連発しながらしかも学生の質問に真摯に答える2人の姿は感動的で、これぞアメリカの魅力です。
質問「お二人の資産の合計は910億ドル。世界の貧しい国70カ国のGDPを上回っていますが、世界の繁栄にどのように貢献できますか」
バフェット「私の資産は、地域ではなく、世界的な規模で使って欲しい」。ゲイツ「いちばん上から富を循環させる、それは義務です。富だけでなく頭脳も活用するのです」
ビルとウォーレンは、慈善活動家番付でもトップを争っています。ビルの寄付額は30億ドル、それは日本での個人寄付総額の10倍以上にもなる巨額なものです。
質問「ビジネス以外での最大の成功を教えてください」
ゲイツ「いい家庭を築くことです」。バフェット「多くの周りの人に愛されている人が、成功を感じている人たちだと思います」
世界の富豪になっても、ビルは幸せです。なぜなら困っときに相談できるダッド(父)と友人のウォーレンがいる。そして、これからの慈善事業のパートナーとなる妻のメリンダがいるからです。