コンテンツ・ビジネス塾「ニューヨーク」(2008-41) 11/11塾長・大沢達男
1)1週間分の日経、ビジネスアイとFTが、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)あすの仕事につながるヒントがあります。4)毎週ひとつのキーワードで、実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。
1、セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and The City)
映画「セックス・アンド・ザ・シティ」は、全米で大ヒットしたテレビドラマ(1998年〜2004年)を、映画化したものです。物語の舞台はマンハッタン・ニューヨークです。
ニューヨーク市には、ブルックリン区(250万人)、クイーンズ区(224万人)、マンハッタン区(160万人)、ブロンクス区(136万人)、スタテンアイランド区(46万人)の5つの区があります。その中心がマンハッタン。9.11のテロで破壊された世界貿易センタービルも、ティファニー宝石店のある5番街も、金融危機の発信源となったウオール街も、セントラルパークも、マンハッタンにあります。世界の経済はアメリカのドル、世界の共通語は英語、そして世界の文化はニューヨークを中心に動いています。遊びでも、勉強でも、ショッピングでも、ビジネスでも、アートでも、エンターテイメントでも、旅行に迷ったら、答えはひとつニューヨーク。世界のトップを疾走する、ドルと英語と文化の街です。
映画の主人公は言います。女性は、ふたつの「L」を求めて、ニューヨークに来る。Label(ブランドとファッション)とLove(ラブとセックス)です。そしてこのふたつの「L」が、映画のテーマです。
2、ファッションとセックスと音楽。
映画の第1の魅力は、ファッションです。主人公は4人の40代のキャリア・レディ。4人のラブとセックスが描かれ、シチュエーションに応じて、それぞれの個性的な新作ファッションがつぎつぎと登場します。1)ラルフ・ローレン、ヴァレンティノ、フェラガモ、オスカー・デ・ラ.レンタ、ドルチェ&ガッバーナ・・・新作もの1000着ものドレスが集められました。2)ハイライトはブライダルファッションです。デザイナーブランドの花嫁衣装が勢揃いします。なかでも目立つは、パンクファッションの元祖、ヴィヴィアン・ウエストウッドの作品です。3)スタイリストは、パトリシア・フィールド。映画「プラダを着た悪魔」の見事な仕事で、アカデミー賞にノミネートされたあの人です。
映画の第2の魅力は、セックスです。映画の随所になんの前触れもなく登場するベッドシーンは、濃厚で激しい、肉食系のそれ。アメリカ人はこんなことをしているんだ。ヨダレものです。しかしベタベタと長く描きません。さわやかです。もうひとつは40過ぎの熟女たちのエロ話です。それもプライベートではなくパブリックな場所で堂々とやってくれます。強烈です。
映画の第3の魅力は、音楽です。これはテレビ育ちのディレクター(Michael Patrick King)のセンスのよさでしょう。ムードを盛り上げるようなバカな音楽の使い方をしていません。映像と音楽が独立しています。絵も音も主張し、新たな映像世界を作っています。ビージーズの名曲をカバーしたソウルシンガー、アル・グリーンの名唱が心に沁みます。
3、ベビー・ブーマーのあした。
4人の映画の主人公を紹介します。
1)キャリー(Sarah Jessica Parker 43才)。コラムニスト。3册の著書があり、ヴォーグにも寄稿するほどのカリスマ的ライター。しかもキュートでかわいい。ある男性との結婚話が進行します。
2)サマンサ(Kim Cattrall 52才)。PR会社社長。ナイスバディでセックスを奔放に楽しんできました。体もこわしました。現在は、年下の恋人の俳優のマネージメントをしています。
3)シャーロット(Kristin Davis 43才)。結婚し、子どもを産む、ふつうの生活を送る、ママ願望の人です。弁護士ハリーと結婚。子どもができないため中国人の養女がいます。しかしついに妊娠します。
4)ミランダ(Cynthia Nixon 42才)。マンハッタンの弁護士。バーテンダーのスティーブと結婚、子どもが一人。現在夫の浮気で別居中。アルツハイマーの義母がいます。
「団塊ジュニア」、「第2次ベビーブーマー世代」とは、1971年から1974年生まれのこれから40代を迎える人たちのことです。この映画はズバリ、この人口のボリュームゾーンをターゲットにしています。団塊ジュニアの未来を描いた映画です。仕事はできるが夫はいない。遊びにあきた、もう落ち着きたい。40才を過ぎて子どもが生まれそう。要介護の母と浮気の夫にどうつき合えばいいのか。
あなたの未来はどのタイプですか。クリスマスにニューヨークへ行きましょう。オイスター・バーで白ワインを飲みながら、自分の未来を捜しませんか。