団塊の世代で、日本は没落していきます。

クリエーティブ・ビジネス塾12「団塊の世代」(2012.4.5)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、福島原発事故独立検証委員会
「おれは基本的なことはわかっている。俺の質問だけに答えろ」(福島に向かうヘリの中で、班目原子力安全委員長を一喝。『福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書』一般財団法人日本再建イニシアティブ  P.110)
「わかっているのか、塩が入っているんだぞ、その影響を考えたのか」(海江田経産相の原子炉への海水注入の報告を聞いて。 P.82)
「必要なバッテリーの大きさは?縦横何m?重さは?ということはヘリコプターで運べるのか」(原発冷却に代替電源が必要だとわかったとき、携帯で原発の担当者に。 P.109)
唖然とします。以上はすべて「内閣総理大臣菅直人の発言です。
「最高指導者は城や官邸といった指揮所からみだりに動くべきではない」、それどころか菅直人は「震災復興を政権延命の具にした」、総理にふさわしくない人間でした(『リーダーシップ』P.28 とP.38 山内昌之 新潮新書)。
2、菅直人
菅直人東京工業大学での学園紛争のリーダー、そして市民運動を通じて、国会議員までになった団塊の世代のヒーローです。菅直人の否定は、ある意味で団塊の世代の否定です。日本をダメにしたのは団塊の世代ということになります。自らを含めての自己批判をします。
1)どこかに悪い奴がいる。私の手は汚れていない。
東京電力は悪、国の原子力行政は悪。企業と国家のやることは信用できない、と団塊の世代は考えます。だから菅直人原発ゼロ宣言を出しました。
でも世界の流れは逆、原発は建設ラッシュが続きます。2020年まで中国は48~80基、韓国は3~6基、インドは20~26基、ベトナムでも4~10基の原発新設計画があります(日経3/21)。そのほか、米国が34年ぶりに原発の新設を始めます。
2)批判は鋭いが、提案はゼロ。
原発ゼロはカッコいい。誰もが賛成します。でも単なるパフォーマンスでしかありません。
エネルギー政策に何の提案もありません。節電と再生可能エネルギーは、絵に描いた餅です。エコイベントはクルマで大渋滞、学校では冷房ガンガン。団塊の世代は、節約する忍耐強い子供を育ててきたでしょか。さらに、ドイツや米国の太陽光プロジェクトは破綻しています。
3)英語は苦手。外国との交渉はできない。
団塊の世代がやったのは大学当局との一方的な団交だけ。外国人とディベート(討論)したことがありません。国際会議での菅直人は、アイコンタクトせず、自信のないニヤニヤ笑い、メモを読むだけ、首脳との交流はできませんでした。中国漁船の国境侵犯事件では中国と戦えませんでいた。
普天間基地の移転難航や日米関係の毀損こそ中国やロシアの外交攻勢を許し、北朝鮮の軍事冒険を誘発した大きな要員である」(『リーダーシップ』P.179)ことが、わかっていません。
3、平和と民主主義
朝日新聞脱原発キャンペーンを始めたまさにその日、菅直人首相(当時)は、原発ゼロ宣言を出した」(『文芸春秋』2012.4 P.103「日本を蝕む大衆迎合政治」渡邊恒雄)。
朝日新聞の「平和と民主主義」は、団塊の世代の「企業と国は悪者」の主張と同じものです。
「首相の周辺に自衛隊出身の秘書官はいない。こういう国はむしろ珍しい」(日経3/13 北岡伸一東京大学教授)。明治24年(1891年)の濃尾大地震のときは、名古屋の桂太郎師団長(当時)が、被災者救援のために師団を出動させた。大正12年(1932年)の関東大震災では、震災の翌日に後藤新平内務大臣が復興に関する4か条の基本方針を書いている。対して、東北大震災では、政府の復興構想会議の設置が1ヶ月後、提言は3ヶ月後。遅さは首相の責任。しかも会議の冒頭で菅直人総理は何の指示もしませんでした。方針なしの丸投げでした(御厨議長代理)。
団塊の世代の「企業と国は悪者」と「平和と民主主義」で、日本は没落していきます。