サムソンに学ぼう。韓国に学ぼう。

クリエーティブ・ビジネス塾18「サムソンに学ぶ」(2012.5.23)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、スマホで世界一
「少女時代」や「KARA」や「チャン・グンソク」が、韓国から来ていることを知っていますか。JポップがKポップに負けていることを知っていますか。
日本のゴルフトーナメントでは男子も女子も韓国の選手が強いことを知ってますか。日本選手は韓国選手に負けつづけています。
韓国が強いのは、芸能やスポーツだけではありません。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電製品、そしてパソコンなどのIT機器でも強い。とくにサムソン電子は、いま流行のスマートフォンで、アップルの上をいく世界のナンバーワンです(日経5/2)。
韓国はなぜ強いのか。サムソンは、どうやって、日本に追いつき日本を追い越し、世界一になっていったのか。その秘密を学びます。
2、三星商会
サムソンは三星商会(1937)に始まります。創業のイ・ビョンチョル、息子で現在のサムソン電子のイ・ゴンヒ会長も、日本の大学で学んでいます。
1)ベンチマーキング(他社製品を研究し学ぶ)・・・サムソンは徹底したベンチマーキングで日本に追いつきました。人材も同じです。外国に学び、外国で活躍しています。現在米国に留学している学生の数は韓国人が日本人を大きく上回っています。
2)7・4制・・・ユニクロが7時出社で話題を呼びましたが、7時出社4時退社で世界を驚かせたのはサムソンでした。20万人の社員が仕事を早く終え、英語とITを学びました(1993~2002)。
3)人材第一・・・創業者イ・ビョンチョルは、すべての面接試験に立ち会い、自分の仕事の90%は人事だと言いました。韓国には徴兵制度があり、若者の礼儀作法が日本人とは段違いに違います。
3、1万時間の修行
『サムソン式仕事の流儀』(ムン・ヒョンジン著 吉原育子訳 サンマーク出版)は、米国で学びサムソンで働いた経験がある著者がサムソンの秘密を紹介しています。サムソンのやり方を知って驚きます。なにも新しいことはない。私たちが知っているけど、やっていないこと、ばかりだからです。
まず著者は1万時間の法則を言います。何事もプロになるために、毎日3時間、10年続けなければならない。毎日6時間やれば、5年でエキスパートになれる。
1)1年目と2年目・・・時間を守れ、約束を守れ。もし1分でも遅れたら約束を守らなかったことになる。それが人が人に対する評価になる。服装に気をつけろ。きちんと着こなしに気を使った人は一日の態度が違う。クルマの乗り方を覚えろ。どこが上席かを知れ。
2)3年目、4年目、5年目・・・価格交渉はギブ&テイク。40インチパネルは値下げ、50インチパネルはこちらの言い値。どんな上司にも反発したり、食ってかかったりしない。部下と酒を飲み、人生を語れ。職場に敵を作るな。酒とセックスと金で、節制しろ。夢を持て、自分を変えろ。妻と子ども以外はすべて変えろ。
3)サムソンの面接
著者はサムソンでの新規採用の面接官をしていました。そのアドバイスは参考になります。面接はだれでも緊張する。しかしテストでない、自分をアピールする場であると考えると楽になる。なるほど。面接は、自分を売り込む、絶好の機会です。面接での質問は二つしかありません。
一つは、ウソをつかない人か?(信用できる人か?)
一つは、自分の役目をきちんと果たせる人か?(業務を効果的に行えるか?)
もちろん採用時にはさまざまな質問がされます。その中でサムソンらしい、私たちも学ぶべき質問をあげます(前掲書 p.273~p.274)。
英語はできますか?
尊敬する人は誰ですか?
人生でかなえたい夢はありますか?