スマホの次は何になるのだろう。

クリエーティブ・ビジネス塾36「スマホ」(2013.9.26)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、ノキア
9月20日は、スマートフォンスマホ)「iPhone(アイフォーン)」の新型の発表で沸き立ちました。そのちょっと前にも大きなニュースがありました。マイクロソフトによるノキアフィンランド)の携帯電話事業の買収です。マーケットはイノベーションマーケティングで動く、技術革新と販売促進で負けたものは市場から消えていく。とはいえ、あまりもの競争の厳しさに驚かざるを得ません。
なぜなら、携帯電話を世界に普及させたのは、ノキアだからです。ノキアは携帯電話で14年間も世界のトップにありました。2011年、2年前まで世界のトップでした。皮肉があります。買収するのも負け組のマイクロソフトだからです。かつてマイクロソフトはパソコンの基本ソフトで、向かうところ敵なしの栄華を誇っていました。そのパソコン市場も、スマホによって浸食されました。ノキアマイクロソフトスマホにやられました。負け組のノキアマイクロソフトの連合に活路があるのか。答はノー。スマホ市場で戦っていてはだめ。「まね」ではなく「変化」が必要です(日経9/4)。
2、アップル
ノキアを打ち倒したのは、アップル、そしてサムスンです。新型iPhoneで、注目されるのは、iPhone5sに加えて、廉価版のiPhone5cをラインアップに加えたことです。高価版の5sには、指紋を使った個人認証機能「タッチID」がつきました。廉価版の5cには、カラフルな5色があります。
日本では、ついに携帯事業者最大のNTTドコモiPhoneを発売するようになりました。ドコモの顧客は番号持ち運び制を使ってiPhoneKDDI(au)とソフトバンクにどんどん流出していました。サムソンとソニースマホを使った「ツートップ戦略」もうまくいきませんでした。そこで今回の決断になりました。日本のスマホ戦線は3社が横一線に並び激戦になります。
アップルはなぜ廉価版を出したのか。狙いは中国と新興国です。アップルは13億人の中国で最王手の中国移動(チャイナモバイル)と提携します。しかし厳しい、北京小米科技の人気モデルは5cの5分の1の価格で売られています。株式市場はアップルは新興国市場で苦戦すると予測しました。新製品発表のニュースを聞きながらも、米株式市場でアップル株は大幅安となりました。
ところで、あなたは新型アイフォンを触ってみましたか。どうでしたか。ウーム・・・?疑問があります。
まず廉価版を出したこと。アップルの製品は自動車に例えれば、ポルシェだといわれてきました。スクエア(野暮な奴)が乗るファミリカーではありません。何よりスペシャリティを大切にしてきました。廉価版が必要だったのでしょうか。つぎはデザイン。高価版のゴールド仕様。ウォー!?気持ち悪い。スティーブ・ジョブズが生きていれば、ありえません。ジョブズは宗教家で、アップルは宗教でした。アップル製品にはオーラがありましたが、今や昔(アップルは発売3日で過去最高900万台販売と発表。株価上昇。日本では発売1週間、ソフトバンク44.7%、ドコモ27.8%、au27.5%)。
3、サムスン
アップルと正反対の企業がサムスンです。サムスンは、「猿真似(さるまね)」、「コピーキャット(まねる人)」、「ベンチマーキング(他社の製品を研究し追いつく)」と、いつも野次を飛ばされてきました。でもそのサムスンが、いまではスマホで世界のトップ企業です。そしてサムソンがついに技術革新でもトップに立ち、汚名を返上する日がやってきました。
サムスンが世界に先駆けて、スマホの次の携帯端末「ウエアラブル端末」(身につける端末)、腕時計タイプの情報端末を発売しました(欧州では9月25日、日米では10月から)。腕のつけた状態で、通話、メールができ、カメラ、スピーカーもついていて、100種以上のアプリが使えるます。サムスンは、スマホの補完と位置づけ、スマホとの連係で顧客の囲い込みを狙っています(日経夕9/5)。もちろん他メーカーもウエアラブル端末を発売します。アップルも腕時計タイプ、グーグルはメガネタイプです。スマホが主役の時代もやがて終わるのでしょうか。
いまから7年後、2020東京の観客はどんなスマホを持って集まるのでしょう。どんなヘアスタイル、どんなファッションが流行っているのでしょうか。だれも予測できない。でもだれかが未来を発明する。成り上がりたい。未来を発明する人になりたくありませんか。