セブンイレブンの快進撃。フレーフレー!鈴木敏文


クリエーティブ・ビジネス塾47「セブンイレブン」(2013.12.12)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、40周年
セブンイレブンが創立40周年を迎えます。その誕生は日本中の驚きでした。
まず、1974年に開店したセブンイレブン江東店は、日本でのコンビニ1号店でした。次に、この事業を展開したのは、スーパー業界8番手の弱小ヨーカ堂でした。そして、提携したセブンイレブンは全米で4000店舗を誇る、米国コンビニ最大手でした。
40年前の驚きは、現在さらなる驚きをもたらしています。まずセブンイレブンは全国で1万5000店以上を展開するコンビニの最大手に。つぎにヨーカ堂は、セブン&アイ・ホールディングスに発展し、百貨店のそごう、西武も配下におく、マンモス企業連合体に。さらに米国セブンイレブンは日本の子会社になっています。
偉業を成し遂げているのは、なんども落ちこぼれを経験している鈴木敏文(現セブン&アイHD会長)です。。少年時代、引っ込み思案で上がり症の鈴木は、高校受験の面接で失敗します。さらに中央大学を卒業し読売新聞の入社試験でも失敗、いろいろやっているうちに、当時わずか4~5店舗のヨーカ堂に、みんなの反対を押し切って入社します。そしてドラマが始めます。
2、セブンイレブン
「物まねはしない。ゼロから作る。消費者の立場に立つ。企業の都合を排除する」(『セブン−イレブン 終わりなき革新』田中陽 日経ビジネス人文庫 p.8からの筆者の要約)。これがセブンイレブン成功への鈴木の答です。
1)たとえばチャーハン。試食した鈴木が激怒する。「これはチャーハンではない」。そこて中華料理店とセブンイレブンのチャーハンの徹底した比較。結果、セブンの調理温度は低い。そこで鍋の改良。工場には新しい鍋が配置され、理想のチャーハンが生まれる(前掲p.77)。
つぎは「こだわりおむすび」。それまでおにぎりは、炊飯→急速冷却→ご飯をほぐす→おにぎり成型器にかけ具材を入れる→包装。しかしこれではおいしさが低下する。原因は、真空冷却。コメとコメの空気が抜けふっくら感がなくなりコメがつぶれてしまうから。そこでご飯が温かいままで成型。成型器に風を吹きかける方式に変更。おいしさを保つことに成功(前掲p.84)。
2)毎週火曜日のFC会議
全国のセブンイレブンのオーナー(加盟店主)は、OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)によって、お店の運営管理を指導されています。全国の約1500人のOFCは毎週火曜日に東京セブンイレブン本部に集まります。店舗の改善報告、売れ行きの良くない商品群の商品管理、陳列場所と凛冽方法、加盟店主の意識改革、さまざまな議論がされます。ハイライトは鈴木敏文によるダイレクト・コミュニケーション、講話です。単品管理とは、何が売れるのか、何が売れそうなのか、をデータをもとに把握すること。機会ロス(売り逃し)と廃棄ロス(捨てる)をなくすことでです。
3)ナナコ
セブンイレブンのPOS端末(レジ)には、青とピンクのキーがあります。そしてそれぞれに12、19、29、39、49、59があります。青は男、29は20歳以上29歳まで。どんな客が何を買ったのか。セブンイレブンには年間50億人の人が訪れます。商品開発の欠かせないビッグデータの蓄積があります。セブン&アイ電子マネー「nanako(ナナコ)」では顧客のデータはさらに詳細になります。
3、未来
セブン&アイHDはいまも快進撃を続けています。
まず、日本経済新聞の2013年度版総合企業ランキング『NICES(ナイセス)」でトップに選ばれました。業績、働きやすさ、社会貢献、成長性の総合評価で日本のトップに選ばれました(日経11/29)。つぎにセブン&アイHDは、米高級衣料店「バーニーズ・ニューヨーク」の「バーニーズジャパン」に出資することを発表しました(日経12/4)。さらにセブンイレブンは2013年のヒット商品番付横綱に選ばれました(日経12/4)。「セブンカフェ」。100円でほんとにおいしいコーヒーが飲めます。
鈴木敏文は1932年生まれの81歳。戦前の教育を受けた人はどうしてステキなんでしょう。