百田尚樹の新聞批判に賛同します。

クリエーティブ・ビジネス塾5「新聞大国」(2014.1.29)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、新聞大国
新聞を読まない若者が増えています。ニュースはネットで知るから問題ない、でもそれは学生時代で終わるでしょう。仕事が始まり、大人の話題についていくためには、つまりお客さまの話題やお得意さまの注文に応えていくためには、新聞を読まなくてはならなくなります。特に日本経済新聞(日経)は読まなくてはなりません。なぜか。ビジネスパースンがみんな読んでいるからです。試しに駅の売店を見てください。竹の子(新聞を取りやすいようにした竹の子状態)の長さが違います。日経だけ平積みでされている駅もあります。電車の中を見てください。読んでいるのは日経ばかりです。
日本は世界一の新聞大国です。世界の新聞発行部数をランキング順にならべます。
1位読売新聞1000万部、2位朝日新聞750万部、3位THE TIMES INDIA(インド)380万部、4位毎日新聞350万部、5位参考消息(中国)310万部、6位日本経済新聞300万部となっています(世界新聞協会2011年)。
1785年創刊世界最古の新聞THE TIMES(英国)やTHE NEW YORK TIMES(米国)は、日本新聞の発行部数にはとても及びません。英米で発行部数の多いのはタブロイド紙で、日本の夕刊フジ日刊ゲンダイよりセンセーショナルな大衆紙です。
日本の新聞は質が高い。真面目です。しかも発行部数が他国を圧倒している。自宅に配達されています。仕事をする大人はみんな新聞を読んでいる。新聞を読んでこその日本人です。
2、保守と革新
あなたはアンチジャイアンツではありませんか。だとすると、読んでいるのは朝日ですね。あなたはジャイアンツファンですね。読んでいる新聞は読売ではありませんか。あなたは高校野球とアマチュアスポーツに燃えていますね。読んでいるのは朝日でしょう。憲法改正に反対ですか。新聞は朝日ですね。あなたはまだ原発の必要性を認めていますね。新聞は読売ですか。
読んでいる新聞によって人々の意見は変わります。人々の思想は読んでいる新聞の影響を受けています。憲法改正では、反対:朝日、毎日、賛成:読売、産経、日経。原発では反対:朝日、毎日、容認:読売、産経、日経。集団的自衛権では、反対:朝日、毎日、賛成:読売、産経、日経。ニュアンスの違いはありますが、日本の新聞は、反対派の革新と、賛成派の保守に二分されています。
さらに新聞の主張は、テレビと連動しています。4チャンネル日テレは読売、5チャンネルテレ朝は朝日、6チャンネルTBSは毎日、8チャンネルフジは産経、10チャンネルテレビ東京は日経です。チャンネルによって集められる知識人、大学教授、ジャーナリストは違います。それぞれの放送局の主張にそって集められます。見ているテレビで日本人は意見を持ちます。
3、『永遠のゼロ』
「戦前、大本営発表をそのまま流し、毎日、戦意高揚記事を書きまくった。戦後、アメリカのGHQが支配すると、今度はGHQが命じるままに、民主主義万歳の記事を書きまくり、戦前の日本がいかに愚かな国であったかを書きまくった。まるで国民全部が無知蒙昧だったという書き方だった。」(『永遠のゼロ』p.430 百田尚樹 講談社文庫)。正月映画でヒットし、400万部以上売った『永遠のゼロ』は、常識破りの小説です。その新聞批判に驚きます。
戦前の人は天皇を神だと信じていた。日本は神国で不滅だと信じていた。特攻隊の若者たちは天皇のために死ぬと信じて命を投げ出していった。こうした戦前伝説を木っ端みじんに粉砕します。まず第1に、主人公は妻のために死ぬのはいやだと言い張るゼロ戦乗りです。第2に、帝国軍人でありながら命を捨てる特別攻撃に反対の態度を表明します。第3に、日本を戦争による破滅に追いやったのは日露戦争以後、戦争を賛美したきた新聞であると主張します。
2014年元旦の社説で「民主主義」を説いた新聞がありました。朝日新聞毎日新聞。「東京裁判」、「日本国憲法」、「太平洋戦争史」、GHQが命じるままの「革新」に最早、説得力はありません。
ベストセラー『永遠のゼロ』は、反GHQで日本人の目を覚ましました。日本は、皇室、憲法改正東アジア共同体で、新しい国家戦略を構築しなければなりません。