元旦の社説を採点しました。

クリエーティブ・ビジネス塾1「元旦社説」(2014.1.1)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、朝日新聞
東京・小平市都道の計画に反対運動が起きている。行政機関だけで民主主義は機能しない。市民が疑問を感じる政策を政府が進める「特定秘密保護法案」のような例がある。民主主義を強化しなければならない。例えば議会を補完する「カウンターデモクラシー」、行政を監視する「モニタリング民主主義」がある。選挙での多数派に黙ってついてゆくのではない、にぎやかな民主主義を実現したい。

2、毎日新聞
強い国や社会とは、愛国心ナショナリズムではなく、納得と合意の民主主義で達成される。例えば首相は靖国神社参拝で、上からの愛国心を植えつけようとしている。民主主義の幹は選挙と多数決、それを豊かな枝葉が幹を支える。たとえば難民支援協会などの非営利組織(NPO)が5万近くある。みな愛国者で反対派でもない。「排除と狭量」ではなく、「自由と寛容」で、民主主義を強くしたい。

3、読売新聞
ことしも経済と中国がテーマである。まず経済。消費税は増税されるが、家計への支援も配慮して欲しい。成長戦略の3本目の矢の成否は、安価な電力供給。原子力、火力、再生可能エネルギーの組み合わせのかかっている。つぎに中国。平時から有事への日米共同対処が必要である。集団的自衛権の行使を可能にし、沖縄の基地の問題を解決し、戦略的な対中戦略を練り上げ、中国に対して行きたい。

4、産経新聞
ケネディ大統領はハーバード大の卒論で、ヒトッラー台頭を許したのは英国の宥和(ゆうわ)主義だと指摘した。いまの日本にあてはまる。国のかたちを整え防衛力を増やさなければ、尖閣諸島を失う。日本は自らの国を守らなければならない。「特定秘密保護法案」、「首相の靖国神社参拝」へのメディアの批判は噴飯ものだ。「英国の失敗」を繰り返せない。戦後価値観に眠ってはいられない。

5、日経新聞
世界は米欧ではなくアジアから変化している。中国は軍事と経済で世界に影響をあたえているが、世界は文化と価値観も求めている。アベノミックスは短期の国家再生プランだが、「日本力」の長期ビジョンも必要である。企業も同じ。投資収益の大きな、ニトリ久光製薬日本電産は、長期的な意思決定をしている。明治の福沢諭吉が指摘したように日本は進取の気性が失われていないだろうか。

新聞を読みましょう。日本は世界でトップを行く新聞大国です。良質な新聞がこれほどたくさんに売れている国はありません。新聞を読まなければ日本人になれません。テレビやネットのニュースのほとんどが新聞の引用です。社説は新聞の主張です。とくに元旦の社説にはその新聞の営業方針があります。報道力、説得力、提案力の3点から、2014.1.1の各社の社説をA.B.Cで、採点しました。
朝日・・・政府への反対意見を述べるべき。民主主義の提案は何のことかわからない。       CCB
毎日・・・主張が朝日と同じで驚く。愛国心ナショナリズム反対、主張が抽象的すぎる。       CCC
読売・・・文章が長過ぎる。経済の成長ではエネルギー、外交で中国に絞ったのはよい。         BAA
産経・・・中国とナチスドイツを並べた衝撃的な主張。GHQ製のマスコミへの批判もよい。  AAB
日経・・・アジア、新しい価値観、そして進取の気性の主張はよい。シリーズ社説の第1弾。        BBA