クリエーティブ・ビジネス塾28「戦争と平和」(2014.7.12)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。
1、日本の軍事費
日本人「戦後70年、日本は、軍備を持たない平和主義で、今日の繁栄を築き上げてきました。・・・戦争の放棄と武力による威嚇と武力の行使を放棄した・・・日本国憲法の第9条は世界に誇っていいものです。若者たちを戦場に送るべきではありません」
外国人「たしかに。アメリカには足や手を失って帰国した若者が増えている。戦争はむごい・・・」
日本人「自慢するわけではありませんが、この70年間に戦場で命を落とした若者は、日本にはひとりもいません。戦力を持たない日本は世界に誇れます」
外国人「ちょっと待って欲しい。日本には自衛隊があるではないか。そればかりではない。日本の軍事費は、世界第6位。米国、中国、ロシア、フランス、英国に次ぐものでだよ。イランやイラクの軍事費とは一桁も違う、大きなものだ。それで戦力を持たない。世界の誰が信用していると思う?」
日本人「日本の憲法には陸海空の一切の戦力を持たないと明記されています。日本にあるのは人類に普遍的に与えられている自衛力です。攻撃力ではありません。自らを守る力です」
外国人「ヘー驚いたな。73年前に宣戦布告をしないで、真珠湾に奇襲攻撃をしてきたのは、どこの国だっけ。世界の誰も忘れていないよ。どこの国も侵略するための戦力なんて持っていないよ」
2、自衛権
日本人「私たちに平和主義をひとつの具体例で説明しましょう。いま日本では集団的自衛権が問題になっています。私は、集団的自衛権を日本の憲法が認めていない、と考えます。同盟国のアメリカが第3国に攻撃されても、日本の自衛隊は第3国の攻撃に参加しません。戦争に巻き込まれないためにです。若者を戦場に送らないためにです。これは自衛隊が戦力でないことの証明です」
外国人「まず言わせてもらおう。そんな抽象的な議論は世界で通用しない。日本が攻撃されたらアメリカは日本を守らなければならない!しかしアメリカが攻撃されても日本は守らない?」
日本人「違います。それが人類の未来を見据えた日本国憲法の平和主義というものです。日本国憲法は世界遺産にしてもいいほどの日本人の知恵が生んだ貴重な財産です」
外国人「おいおい、ちょっと待ってくれよ。日本国憲法が世界遺産?日本人の知恵?日本国憲法が発布されたのは1947年5月3日だよ。占領下だよ。あの憲法はマッカーサーの指令によりアメリカ人のホイットニーが書いたものだよ。その証拠に、日本人の小説家が憲法前文の・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して・・・、『に』は『を』にすべき、助詞の誤りだと指摘しているではないか」
日本人「いや不戦の誓いには、山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)、仏教の思想が入った日本人の知恵があります。人類が誇るべき世界遺産です」
外国人「アメリカ人が書いた憲法を大切してくれるのはありがたいが、日本国憲法の目的は違う。カミカゼ攻撃をしてくる日本人が二度と戦えないようにするためのものだった。恐ろしい野蛮人=ジャップだから、原爆を広島と長崎に投下したんだよ。アメリカ人は日本人を人間とは認めていなかった。日本国憲法は世界遺産ではなく、捨てなければならない過去の遺産だよ」
3、戦争
日本人「日本は先の戦争で300万人の人の命を失っています。特に広島、長崎では原爆による前代未聞の被害も受けています。私たちの平和への願いは、どこの国の人々より強いものがあります」
外国人「平和は願えば維持できるものではない。第1次大戦後に不戦条約を結んだヨーロッパの平和主義者はヒットラーの台頭を押さえることができなかった。平和主義者が戦争を準備した」
日本人「国際紛争はあります。それは外交交渉によって解決するべきです。竹島で韓国と、尖閣諸島で中国と、日本は争っていますが、話し合いで解決すべきです」
外国人「まさか中国を甘やかす積もりはないでしょうね。軍事による恫喝(どうかつ)に負けて譲ったらそれでおしまいだ。戦争は国際紛争を解決するための最後の手段。戦争は高度に文明的な制度だ(『新戦争論』p.51~p.58 小室直樹 光文社)」。残念ながら、戦争を上回る合理的な手段はまだ考案されていない。軍備だけが戦争を阻止できる」