クリエーティブ・ビジネス塾2「SMAP」(2016.1.6)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。
1、SMAP
SMAP分裂のニュースが全国を駆け巡りました。その経済効果は計り知れない。まずソフトバンクをはじめとするCMがある、つぎにレギュラーのTV番組がある、さらにSMAPブランドのファンクラブ、商品がある。SMAPの経済効果は莫大。日本経済新聞すら分裂騒動を報じました。
騒動の主役はSMAPの育ての親、飯島三智マネジャーです。担当はSMAP、Sexy Zone、ABC–Z。飯島マネジャーはSMAPが所属するジャニーズ事務所からの独立を考えていました。その話に、育ての親への恩義から、中居、草彅、香取、稲垣の4人が乗りました。なぜか木村拓哉だけはジャニーズ事務所の残るとその話に乗りませんでした。ここが謎です。なぜ木村拓哉は移籍話に同意しなかったか。それには妻の工藤静香の力が大きかった、と報道されています。木村拓哉との結婚を許してくれた。マスコミからふたりを守ってくれた。それはジャニーズ事務所の創設者のひとりメリー喜多川氏のお陰である。
そして今回の分裂騒動のもうひとりの主役、藤島ジェリー景子マネジャーが登場します。ジェリー景子は、メリー喜多川の娘で、担当は嵐、TPKIOです。次のジャニーズ事務所の社長と考えられたいる人です。飯島VSジェリー景子、次世代のジャニーズを巡る争いであると報じられるようになりました。
飯島マネジャーはジャニーズ事務所以外の大きな芸能プロダクションのバックアップをあてにしていました。誰かは分かりません。バックアップを約束した大物がいました。もしSMAPの移籍が実現すれば、芸能界を二分する大騒動、大事件になっていたはずです。しかし移籍あるいは分裂は回避されました。キムタクのいないSMAPになんの魅力もない。影の大物はバックアップを約束を反古にしました。
2、ジャニーズ体験
私とジャニーズ事務所との付き合いはわずかです。映画『恋するヴァンパイア』のロケ現場で「ABC-Z」の戸塚翔太と短い時間を一緒に過ごしてこと。CM撮影で「The Good-By」(野村義男ほか3人)でハワイとロスアンゼルスに行ったことがある、そのくらいです。
今回の騒動の本当の主役は、メリー喜多川氏(89)です。メリーさんは弟のジャニー喜多川氏(84)とともにジャニーズ事務所(1962)を設立しました。娘のジェリーを次期社長に考えていたのはメリーさんです
ジャニー喜多川氏の経歴は変わっています。僧侶の息子としてロスアンゼルスに生まれています。日本に帰ってきてからはアメリカ大使館軍事顧問団に勤務し、上智大学に学び、バンドを結成し芸能界に近づいて行きます。年末の国民的なイベント『紅白歌合戦』は、ジャニーズ事務所を抜きにした考えることはできません。司会の井ノ原快彦(V6)を筆頭に、嵐、SMAP、TOKIO、Sexy Zoneなど7組、なんと白組の1/4はジャニーズ事務所になっています。ジャニー喜多川氏は政治力でも異才を発揮しています。
3、不滅のジャニーズコンセプト
○『SMAP』(1988年結成)。中居正広(72年生まれ)、木村拓哉(72年)、稲垣吾郎(73年)、草彅剛(74年)、香取慎吾(77年)。
○『嵐』(1999年結成)。大野智(80年)、櫻井翔(82年)、相葉雅紀(82年)、二宮和也(83年)、松本潤(83年)。
○『Sexy Zone』’2011年結成)。中島健人(94年)、菊池風麿(95年)、佐藤勝利(96年)、松島聰(97年)、マリウス葉(00年)。
ジャニーズ事務所は10年ごとにスーパーグループを生み出しています。
ジャニーズビジネスのコンセプトは、「アメリカン」、「ノージェンダー」、「ピーターパン」と分析できます。洗練された歌、ダンス、トーク、つぎはゲイフィーリング、そしていつまでも大人になれない子どもたちです。SMAP=Sports Music Assemble People(スポーツとミュージックに集まる人々)の名には、そのすべてがあります。ジャニーズコンセプトは不滅ですが、『SMAP』の時代は終わるでしょう。
分裂騒動を乗り越えて、強い絆により再結成された美談はあるにせよ、その効果は限定的です。それより5人は普段は、まったく別々の活動をしている、ことが今回の騒動を通じて明らかになりました。つまりテレビで見ている仲のよい『SMAP』は虚構でしかない。2016年元旦の全ページ広告は、『Sexy Zone』だけでした。新しいスターの時代が来ます。ジャニーズコンセプトは永久に不滅です。