SDGs(エスディージーズ)とは、「誰もが未来のためにできること」です。

TED TIMES 2020-5 SDGs 1/27 編集長 大沢達男

 

SDGsエスディージーズ)とは、「誰もが未来のためにできること」、です。

 

1、新しい生き方

人生生きるに値するか否か。人は何のために生きるのか。哲学的な問いはしばらく措いておきます。古き良き時代の牧歌的な問いにしか過ぎないからです。自分探しをして、好き勝手に自分らしく生きる。これも否定されます。自己中のわがままにしか過ぎないからです。現代の私たちには、地球的な視野で、具体的に生きることが要請されいます。それが「SDGs的な生き方」(誰もが未来のためにするべきことをする生き方)です。

たとえば、私はチョコレートが大好きです。いつも部屋に2~3種類のチョコレートがあります。よくある話です。ところがこれだけで悪事を働いていることになります。チョコレートの原料はカカオです。その収穫には児童労働が使われています。私が子供たちの未来を奪っています。

たとえば、あなたは買い物のときにショッピングバッグを持って行きますか。レジ袋のプラスチックを消費しないためにです。そうでないと、あなたのおかげで、海は汚され、鳥たちや魚たちが死んでいます。

たとえば、トイレを使ったあと、便座を閉めていますか。でないと電気エネルギーがムダに消費され、地球温暖化の原因になります。あなたのおかげで異常気象や海面上昇に見舞われることになります。

SDGs的な生き方」は、世界の常識です。哲学的な問いや自分探しはどうでもいい。私たちは、「SDGs的な生き方」、「誰もが未来のためにするべきことをする生き方」をしなければなりません。

2、SDGs

SDGsは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)で、2015年9月に国連サミットで採択された、2016~2030年までの国際目標です。基本理念は、No one will be behind.(誰ひとり取り残さない」)。つまり誰もが未来のためにできることをして、誰ひとり取り残さないことです。

17の目標と169のターゲットがあります(『SDGs超入門』 バウンド著 技術評論社 p.149~157)。

レインボーカラーの丸いバッジを胸につけている人を見たことがあると思います。あれです。

1)貧困をなくす。2)飢餓をなくし、農業を発展させる。3)健康を守り、福祉を進める。4)教育が受けられ、生涯学習ができるようにする。5)ジェンダー平等を実現し、女性を活躍させる。6)水と衛生を保証する。7)すべての人が近代的なエネルギーを使ようにする。8)経済成長をさせ、働きがいがある職場があるようにする。9)産業化とイノヴェーションを進める。10)国内、各国間の貧富の差をなくす。11)安全な街づくり、住まいづくりを進める。12)環境に優しい「作る」「使う」を定着させる。13)気候変動の影響を受けないような対策をする。14)海洋・海洋資源を護り、使う。15)生態系を保護し、生物の多様性を守る。16)平和を守り、すべての人が法の前に平等であることを保障する。17)資金、技術、人材でそれぞれの国は助け合う。

ほかにSDGsを理解するためのキーワードがあります。

○5P・・・SDGsは5つのPに要約されます。Person(人間)、Prosperity(繁栄)、Planet(地球)、Peace(平和)、Partnership(協力)です。

サプライチェーンバリューチェーン・・・企業のSDGsへの取り組みは、サプライチェーン(原材料・部品の調達→製造→物流→販売→消費者)と、バリューチェーン(主活動=サプライチェーンと支援活動=インフラ、人事・労務管理、技術開発、調達に分類し、どこで付加価値を生み出しているかを分析する)のトータルに目を配る必要があります。

○ESG・・・2006年に国連事務総長機関投資家対してPRI(Principle Responsibility Investment)、責任投資原則を発表しました。PRIとは投資対象のESG(環境、社会、企業統治に配慮することです。

3、エシカル消費

世界の子どもの10人に1人が児童労働をしています。半数はアフリカ。カカオ豆の農園は代表的な児童労働の現場です。「子どもが働くこと」=「児童労働」ではありません。幼い子どもが働くことを強制されたり、心身の発達を阻害されるような危険な労働を強いられるのが「児童労働」です(p.130)。

チョコレートが好きな私はどうすれば、いいのか。「フェアトレード認証」がついた商品を買えばいいのです。

環境や人権に対して配慮された商品を買い求めることを「エシカル(倫理的な)消費』と呼びます。

SDGsの先進国は1位デンマーク、2位スェーデン。日本は15位です(p.33)。私たちのSDGsへの取り組みは始まったばかりです。