THE TED TIMES 2023-17「人工知能」 4/29 編集長 大沢達男
私 vs チャットGTP。どちらが勝か。
1、AI(人工知能)
チャット(Chat)GPT(Generative Pre-trained Transformer=生成可能な事前学習済み変換器)が話題になっています。
チャットGPTは、米国スタンフォード大学の学生の17パーセントが課題や試験に使い、驚きべきことに米司法試験の模擬試験で上位10%に入る成績を獲得しました。
さらに開業医、マーケティングの専門家、翻訳家など分野でほとんどの仕事がチャットGPTによって代替されると予想されています(日経 4/18)。
AIの未来はバラ色のように見えます。人類は、MITのロドニー・ブルックスの警告を忘れてしまったかのように思えます。
ロドニーは、ディープ・ブルーがチェスの世界チャンピオンを負かしたときに、人工知能・ディープブルーは動けない、出掛けることができない、と皮肉りました。
人工知能と言っても、自立し自律できなければ、意味がない。身体をもっていない人工知能なんて意味がないかと、反発したのです。アンドロイド(人造人間)、漫画の主人公アトムへの夢です。
そしてロドニーが開発したのは、障害物を検知し迂回して進むゴキブリのようなロボットです。これはアフガニスタンやイラクで活躍する地雷探知ロボットになり、そして家庭用の掃除機「ルンバ」になりました。
ソニーのアイボ(1999年発売)、ホンダのアシモ(2000年のNHK紅白歌合戦にゲスト出演)はどうなったのでしょうか。人工知能を持った自立型のロボットはいまだに全くと言っていいほど実現していません。
2、カンブリア紀
地球上の生物はカンブリア紀に飛躍的な発展をするようになります。藻類から三葉虫、節足動物へ、そして動物の時代の始まりです。カンブリア爆発です。なぜカンブリア爆発が起きたのでしょうか。それは生物が目を持って自由に動けるようになったからです。
AI(人工知能)が話題になるとき、このカンブリア爆発のことを思い出します。現在のAIは目を持っていません。いまだ目を持てません。
優れたレンズ、そしてメモリーもあります。さらに5Gや6Gの画像を送受信できる高速通信のネットワークもあります。しかし人工知能は、目で学習できていません。つまり目を持てる段階ではない。AIの未来はバラ色どころか悲観的です。
「深層モデルを用いた機械学習、すなわち深層学習の汎化能力原理は未解明が点が多く、世界中の機械学習の理論研究者が究明に取り組んでいる。基本的な仕組みがまだ解明できておらず、今後のさらなる原理究明が期待される。」(杉山将 東京
大学教授 「AI開発の現在地上」日経 3/30)。つまり人類は、AI(人工知能)の画像処理の問題で、いまだに4~5億年前のカンブリア期に止まっています。
3、Chat GPT
さていままでの「AIに関する記述」は「私の答案」です。対するチャットGPTはなんと書いたでしょうか。それをご紹介します。
質問「こらからどんなAIが流行りますか」
答え「1)AIはより進化して、より自然でスムーズな対話や操作が可能になるものが流行る。2)人工知能を活用したサービスやプロダクトはよりカスタマイズされたものが求められる。医療や教育ではよりカスタマイズされたサービスや製品が提供される。3)深層学習や自然言語処理の技術が発展し、人工知能を利用したロボット、自動運転車が普及する。4)人工知能を活用する際には、倫理的な問題、プライバシー保護を考えなければならない。」(以上は、ウェブにある「Chat GPTとは?使い方や始め方。日本語でできることを紹介! 最終更新日 2023/04/20」からの要約引用です)。
さて、判定はいかに。「私」の勝ちですか。「チャットGPT」クンの勝ちですか。