誰も知らないオバマ。

 コンテンツ・ビジネス塾「オバマ」(2008-45) 12/9塾長・大沢達男
1)1週間分の日経、ビジネスアイとFTが、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)あすの仕事につながるヒントがあります。4)毎週ひとつのキーワードで、実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、オバマ次期大統領
驚きは賞賛に変わってきています。無名のオバマ、若いオバマ、黒人のオバマが、大統領になるのです。賞賛は、バラク・オバマ(47)を次期大統領に選んだ米国という国に対して寄せられています。「努力すれば誰もが成功をつかめるチャンスがある」、「やればできるという励みなった」、「米国はダメだと思っていたがこんな大統領を選ぶことができる国だ」。アメリカン・ドリームが復活したのです(日経11/6、11/7)。
オバマの父はアフリカ・ケニア出身、奨学金ハワイ大学に留学しアメリカ人の母と知り合い結婚し、オバマが生まれます。しかし離婚、オバマは10歳の時から祖父母とハワイで暮しています。
驚くべきは、大統領までのスピードです。前回の大統領選挙のときオバマは州議会議員(県会議員)でした。ブッシュ大統領が、オバマを「オサマ(ビンラディン)」と間違えるほどの無名でした。
2、オバマの戦略
1)エリートではない。
コロンビア大学卒業、ハーバード法科大学院修了。しかしこの経歴にひとつの秘密があります。オバマははじめカリフォルニアの「オクシデンタル・カレッジ」という小さな大学に入学し、3年目にコロンビア大学編入することに成功しています。「トランスファー大統領」で共感を呼んでいるのです。
2)黒人を売りにしない。
オバマは選挙運動で黒人至上主義やアフリカ中心主義と距離をとりした。奴隷制への怒り、人種隔離主義者への怒り、演説で白人への怒りを口にしませんでした。従来の黒人指導者と違いました。
3)大統領夫人は黒人。
オバマ夫人を紹介するビデオのタイトルは「サウスサイド・ガール」。サウスサイドとは、シカゴ南部の黒人ゲットー(スラム街)です。オバマ夫人はサウスサイド出身の黒人であることを売りにしました。
4)ユーチューブ選挙。
動画共有サイトYou Tube」にさまざまなオバマ支持映像が掲載されました。マイスペースフェイスブックなどのSNSを通して若者がオバマとつながりました。無関心の若者の投票率がはねあがりオバマに投票しました(以上は、「『オバマアメリカ』渡辺将人 幻冬社新書」 を参考にしました)。
3、オバマの演説
”A common dream, born on two countries, my parents shared not only an improbable love, they shared abiding faith in the possibility of nation. They would give me an African
name, Barack, or "blessed", believing that in a tolerant America your name is no barrier to success. They imaged... they imaged me going to the best schools in the land, even though they weren't rich, because in generous America you don't have to be rich to achieve your potential.”
(共通の夢がふたつの国に生まれました。両親は愛し合う気持ちだけでなく、この国の可能性にかける信頼を誓う心で結ばれていました。ふたりは、「バラク」(祝福されたという意味)というアフリカの名前を私につけました。それは、アメリカならばこの名が成功の障害にならないと信じていたからです。ふたりは夢見ていました。私がアメリカの最高の学校で学ぶようになるだろう。たとえ自分たちにお金がなくても。豊かなアメリカなら、お金なんかなくても、才能を発揮するようになるだろう。)
”There is not a liberal America and a conservative America -there is the United States of America. There is not a Black America and a White America and Latino America and Asian America -there's the United States of America.”
(リベラルなアメリカも、保守的なアメリカもない。あるのはアメリカ合衆国です。黒人のアメリカも、白人のアメリカも、ラテン系のアメリカも、アジア系のアメリカもない。あるのはアメリカ合衆国です。)
以上は、オバマをビッグにした2004年民主党大会での歴史的な演説の一部です(「オバマ演説集」朝日出版 ただし翻訳は大沢版)。暗記しましょう。”Yes, we can."