羽田か成田か、ではなく、羽田も成田もです。

コンテンツ・ビジネス塾「新・羽田空港」(2010-43) 11/16塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、トラウマ
32年ぶりに国際線定期便が羽田空港に戻ってきます(現在も羽田から海外に行けるが「チャーター便」と呼ばれるもので正式な「定期便」ではない)。
千葉方面の方や若者には申し訳ありませんが、大人のたわごと(戯言)を言わせていただきます。昔は国際線といえば羽田でした。第一にビートルズが日本にやってきたのは羽田でした(関係ないか)。外国からのお客さまは羽田。海外へ出掛けるのは羽田。羽田の安心感を知っているものにとって、成田は仮の空港でしかあり得ませんでした。なぜそこまで羽田にこだわるのか。それは成田でとんでもない苦労をした経験があるからです。
成田は、行きはどうにか帰りは怖い、の危ない空港でした。日本に到着しても家に帰れませんでした。数少ないバスは人だかり、乗り場にも行けません。タクシーの列はもっと大混雑。電車は飛行場のそばまで来ていませんでした。雨の中、荷物を抱え、暴動のような大群衆の中で、諸外国の空港との格差を思い、祖国の現状に落胆し、途方に暮れるしかありませんでした。それは二度とこの空港には来たくないと思わせるほどのもので、日本は明らかに開国されていませんでした。もちろん現在の成田はパーフェクト、しかし成田に対するトラウマ(心理的な後遺症)は消えていません。
2、新・羽田の構造
羽田に5階建ての新国際線ターミナルが完成(10/21オープン)、それはいままでの第1ターミナル、第2ターミナルより、東京(蒲田)寄りに作られました。
1)浜松町、品川から13分です。近い。しかも東京モノレール国際線ターミナル駅からは航空会社のチェックインカウンターが同じフロア、段差なしで1分。こんな便利な空港知りません。めちゃめちゃな速さで出発できます。
2)1階はバスとタクシー。2階が到着フロアー。3階が出発フロアー。4階には古き良き江戸の横町を散歩できる「江戸小路」をはじめとする商業施設。5階はプラネタリウム・カフェ、スロットカーレーシングがある「TOKYO POP TOWN」。免税品のデューティーフリーショップは、3階の出発フロアーにあります(『日経トレンディ』2010.12 P.139)。
3)現在、羽田から行けるのは、ソウル、北京、上海、香港のアジア近郊の4都市だけ、それがニューヨーク、ロスアンゼルス、ロンドン、パリを含む世界の17都市(2012年2月まで就航)に拡大されます。しかし成田とのすみわけの関係で、バンコク以遠の都市へは昼間便がなく夜10時から朝7時までの深夜早朝便だけになります。
3、オフィスから海外へ
ビジネスパースンには、シャワールームと仮眠室(2階)があります。オフィスでぎりぎりまで仕事をして、深夜便や早朝便を利用することができます。シャワーを浴びて仕事の汗を流し機上の人になれます。たとえば徹夜のオフィスから羽田に向かい、アメリカン航空134便午前6時40分発(2012.1.21就航予定)を使ってアメリカに飛べば、同じ日の午前5時15分にニューヨークに到着。さらにカリブに向かえば、お昼には真っ青な海に身を委ねていることになります(前掲書 p.147)。
いいことずくめの羽田のようですが、日本には「空の大競争」の戦いが待っています。
1)まずは、成田と羽田の共存。日本は首都圏空港の機能を強化しなければなりません。両空港の旅客数は3000万人(09年)、それが5000万人(17年)になります。2)共存の次には、仁川空港(韓国)、チャンギ空港シンガポール)との戦いが待っています。日本の空港の1人あたりの利用料は仁川の2.6倍、チャンギの1.9倍と高いのです。3)もうひとつは、ちょっと違う問題ですが、格安航空会社(LCC)の登場です。日本の航空会社は国際競争に耐えられるのか。経営と雇用の問題があります(日経10/20,22,23)。これらの問題はすべては、日本の鎖国に近いような規制の多い行政と、私たち自身のビジネススタイルがもたらしたものです。
羽田を使いましょう。海外とビジネスしましょう。彼や彼女と外国で、ウィークエンドを楽しみましょう。羽田は、私たちの閉ざされた心の風通しを、良くしてくれます。

コンテンツ・ビジネス塾「新・羽田空港」(2010-43) 11/16塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)学生のみなさんは、就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、トラウマ
32年ぶりに国際線定期便が羽田空港に戻ってきます(現在も羽田から海外に行けるが「チャーター便」と呼ばれるもので正式な「定期便」ではない)。
千葉方面の方や若者には申し訳ありませんが、大人のたわごと(戯言)を言わせていただきます。昔は国際線といえば羽田でした。第一にビートルズが日本にやってきたのは羽田でした(関係ないか)。外国からのお客さまは羽田。海外へ出掛けるのは羽田。羽田の安心感を知っているものにとって、成田は仮の空港でしかあり得ませんでした。なぜそこまで羽田にこだわるのか。それは成田でとんでもない苦労をした経験があるからです。
成田は、行きはどうにか帰りは怖い、の危ない空港でした。日本に到着しても家に帰れませんでした。数少ないバスは人だかり、乗り場にも行けません。タクシーの列はもっと大混雑。電車は飛行場のそばまで来ていませんでした。雨の中、荷物を抱え、暴動のような大群衆の中で、諸外国の空港との格差を思い、祖国の現状に落胆し、途方に暮れるしかありませんでした。それは二度とこの空港には来たくないと思わせるほどのもので、日本は明らかに開国されていませんでした。もちろん現在の成田はパーフェクト、しかし成田に対するトラウマ(心理的な後遺症)は消えていません。
2、新・羽田の構造
羽田に5階建ての新国際線ターミナルが完成(10/21オープン)、それはいままでの第1ターミナル、第2ターミナルより、東京(蒲田)寄りに作られました。
1)浜松町、品川から13分です。近い。しかも東京モノレール国際線ターミナル駅からは航空会社のチェックインカウンターが同じフロア、段差なしで1分。こんな便利な空港知りません。めちゃめちゃな速さで出発できます。
2)1階はバスとタクシー。2階が到着フロアー。3階が出発フロアー。4階には古き良き江戸の横町を散歩できる「江戸小路」をはじめとする商業施設。5階はプラネタリウム・カフェ、スロットカーレーシングがある「TOKYO POP TOWN」。免税品のデューティーフリーショップは、3階の出発フロアーにあります(『日経トレンディ』2010.12 P.139)。
3)現在、羽田から行けるのは、ソウル、北京、上海、香港のアジア近郊の4都市だけ、それがニューヨーク、ロスアンゼルス、ロンドン、パリを含む世界の17都市(2012年2月まで就航)に拡大されます。しかし成田とのすみわけの関係で、バンコク以遠の都市へは昼間便がなく夜10時から朝7時までの深夜早朝便だけになります。
3、オフィスから海外へ
ビジネスパースンには、シャワールームと仮眠室(2階)があります。オフィスでぎりぎりまで仕事をして、深夜便や早朝便を利用することができます。シャワーを浴びて仕事の汗を流し機上の人になれます。たとえば徹夜のオフィスから羽田に向かい、アメリカン航空134便午前6時40分発(2012.1.21就航予定)を使ってアメリカに飛べば、同じ日の午前5時15分にニューヨークに到着。さらにカリブに向かえば、お昼には真っ青な海に身を委ねていることになります(前掲書 p.147)。
いいことずくめの羽田のようですが、日本には「空の大競争」の戦いが待っています。
1)まずは、成田と羽田の共存。日本は首都圏空港の機能を強化しなければなりません。両空港の旅客数は3000万人(09年)、それが5000万人(17年)になります。2)共存の次には、仁川空港(韓国)、チャンギ空港シンガポール)との戦いが待っています。日本の空港の1人あたりの利用料は仁川の2.6倍、チャンギの1.9倍と高いのです。3)もうひとつは、ちょっと違う問題ですが、格安航空会社(LCC)の登場です。日本の航空会社は国際競争に耐えられるのか。経営と雇用の問題があります(日経10/20,22,23)。これらの問題はすべては、日本の鎖国に近いような規制の多い行政と、私たち自身のビジネススタイルがもたらしたものです。
羽田を使いましょう。海外とビジネスしましょう。彼や彼女と外国で、ウィークエンドを楽しみましょう。羽田は、私たちの閉ざされた心の風通しを、良くしてくれます。