ロンドンに学ぼう。次は東京です。

クリエーティブ・ビジネス塾33「TOKYO 2020」(2012.8.29)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、LONDON 2012
ロンドンオリンピックが終わりました。つぎは2016年はリオデジャネイロ(ブラジル)、2020年に東京が立候補しています。どうしたらオリンピッックを呼べるのか。ロンドンを参考にし、作戦を練ります。
LONDON 2012は、ロンドン東部のストラッドフォード周辺で計画されました。コンセプトの第1は、繁栄から取り残された地域の再生。アフリカ、アラブ、アジア、移民の多い社会に貢献すること。第2は、コンパクトは大会。選手村と会場を同じオリンピックパークの中につくる。第3は、子どもたちをスポーツに親しませること。イギリスでも体を動かさない子どもが増えています。
7年前のIOC(国際オリンピッック委員会)総会のプレゼンテーションで、ロンドンはひとつの映像を流し、モスクワとロスの陸上男子1500mで連続金メダリストのコー招致委員長がスピーチをしました。
○貧困にあえぐ子どもたちが、オリンピックの映像に出会ってスポーツを始め、選手に育っていく物語の映像。そしてスピーチ。「ぼくもあの歳のころ、メキシコオリンピックを、講堂の白黒テレビで見ていました。そして、新しい世界が開け、いまもあの講堂から始まった道の上に立っています。世界の若者たちに感動を与え、オリンピックの持つ力を未来に伝えるのに、最もふさわしい計画はどれなのか。よく考えていただきたいと思います」(読売2006.7/7をもとに、大沢がリライト)
そしてロンドンは本命のパリを逆転し、オリンピッックの招致に成功し、今回の開催になりました。
2、ロンドン東部
1)コックニー・・・ロンドン東部の出身者に、亡くなった世界的な美容師ヴィダル・サスーン聖火リレーに参加したサッカーのデビット・ベッカムがいます。ヴィダルが一流になるために英語を勉強したように、ロンドン東部の人たちは、「コックニー」という強いなまりや俗語を話します。食べる「カリー」は、テニスで優勝した「アンディー・マリー」。「激辛のアンディー・マリーをよろしく!」。飲む「ビール」は、米人気歌手の「ブリトニー・スピアーズ」です。「あのあと、しこたまブリトニー・スピアーズを飲んだのかい?」「ちょっとやりすぎたぜ!」ってな、感じです(東京夕刊7/27)。
2)イスラム教徒・・・英国選手の最大のヒーローは、モハメド・ファラ選手(29)。彼はソマリアで生まれ、8歳の時にロンドンの移民街にやってきました。その後才能を認められ、米国に留学する機会が与えられ今回、男子陸上の1万mと5000mで金メダルを獲得しました(朝日8/14)。英国の最大のヒーローは、イスラム教徒の黒人でした。柔道のウォジダン・シャハルハニ選手(16、サウジアラビア)はスカーフ(ヘジャブ)の代わりに水泳帽のようなもので畳の上に立ちました。陸上のウォラウド・サワルハ(20、パレスチナ)は、800メートル予選に頭髪を隠すスカーフをかぶり走りました(産経8/14、東京夕刊8/10)。26競技すべてで女子種目が競われた、画期的な大会でした。
3)イーストエンド・・・スタジアムから電車で20分のロンドン中心街では閑古鳥が鳴きました。
ロンドン東部は古い工場があるスラム街でした。そこに8万人を収容する競技場と主要施設がコンパクトにまとめらました。さらにとなりにヨーロッパ最大のショッピングモールができました。もちろんスラムは解消され、人でにぎわいました。「都市は再生」しました(産経8/14)。
3、TOKYO 2020
LONDON 2012に始まる直前に日本では、「『いちばん』をつくろう」という新しい国立競技場の国際デザインコンクールがスタートしました(日経7/21)。世界最高のパフォーマンス、キャパシティ、ホスピタリティのための、「建物」ではなく「コミュニケーション」(の場)をつくるのです。
東京のライバルはイスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)です。東京が負けているのは、世論の支持です。他都市は7割以上がオリンピッック開催を望んでいるのに、東京は5割以下。これでは勝てません。留学を嫌い、海外勤務をいやがり、家族や身内でかたまりたがる、鎖国を止めよう。韓国と中国、アジアと仲良くしよう。TOKYO 2020を招致しよう。
1)ロボットが参加する未来オリンピックにしよう。
2)アニメでスポーツ選手を子どもたちのアイドルにしよう。
3)アジアのパワーとライススタイルを世界に示す大会にしよう。