ギャツビーを見てから、パーティーに行こう。

クリエーティブ・ビジネス塾24「華麗なるギャツビー」(2013.7.4)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、ディカプリオ
映画『タイタニック』で世界のトップの男性俳優に躍り出たレオナルド・ディカプリオの新作『華麗なるギャツビー』(2013年米国 バズ・ラーマン監督)が公開されています。舞台の設定は1920年代、米国の富豪が開くパーティーが主役の映画です。ファッション、メイク、ヘアスタイル、そしてダンスと悪ふざけ。どれもこれもおしゃれ、クリエーターが見逃すことができない映画になっています。
ディカプリオが演ずる主人公のギャツビーは、なぞの大富豪。映画はギャツビーのなぞを探るというストーリーで展開されます。ギャツビーは宮殿のような大邸宅に住んでいる。ギャツビーはどこからきたのか?どうやって富豪になったのか?どんな仕事をしているのか?なぜ毎夜のようにパーティーを開いて客を集めているのか?映画のネタを紹介するわけにいきませんが、すべてが夢のような、アメリカンドリームを描いた映画です。
原作は『The Great Gatsby』(F・スコット・ジェラルド)、村上春樹も翻訳している1926年の作品です。映画化はなんと7度目。いわば米国の古典のヒーローをディカプリオは好演しています。
2、PRADA
映画の話題はなんといっても、ファッションのプランドがこの映画に協力していることです。まず、プラダPRADA)とミュウミュウ(miu miu=プラダセカンドライン)がパーティのカクテルドレス、イーブニングドレスを提供しています。つぎにジュエリーでティファニーが、さらに男性服でブルックス・ブラザーズが協力しています。
特にプラダは、プラダの東京青山店で、「『華麗なるギャツビー』の衣装展」を開きました。女主人公のデイジーがパーティーで着る「クリスルドレス」をはじめ、40点のドレスを展示し、ファッション、映画、広告関係のクリエーターの話題を集めました。
青山のプラダのビルは、奇妙な造形で東京の街でもひときわ目を引きます。設計したのは、スイスの建築家ユニットのヘルツォーク&ド・ムーロン、あの北京オリンピッックメインスタジアムの「鳥の巣」(北京国家体育場)で話題を集めたクリエーターです。
ちなみにPRADAは、イタリアのファッションブランドで、1913年にマリオ・プラダが設立しました。現在は創業者3代目のミウッチャ・プラダがデザイナー。アパレル、バッグ、靴、サングラス、香水を提供しています。最近では、韓国のLGとコラボしたプラダフォンで話題を呼んでいます。
ブランドには、エルメスルイ・ヴィトンに代表されるロイヤルブランドと、シャネル、アルマーニに代表されるデザイナーブランドがあります。ロイヤルブランドは王室の血統で権威を築きますが、デザイナーブランドは、アーティストたちとコラボし、権威を持ちます。シャネルはピカソやバレー団と、アルマーニアメリカ映画とコラボしました。映画『華麗なるギャツビー』に協力するプラダもデザイナーブランドです。
3、ロングアイランド
映画の舞台、宮殿のような大邸宅があるロングアイランドは、マンハッタン・ニューヨークから、1~2時間のところにあります。東京で言えば、鎌倉や葉山でしょうか。
着飾ったレディ、ハンサムな男たち、音楽、ダンス、酒・・・パーティーの日々。それは楽しい。お金持ちになること、成功することは、素晴らしい。しかしそれって何になる?金銭の成功で人生は満たされるの?、このことを映画は最後にメッセージします。
リッチなギャツビーを演じきったレオナルド・ディカプリオ自身はどうなのでしょうか。ディカプリオは、イタリア・ドイツ系の父とドイツ系の母から、1974年にカリフォルニアで生まれています。父はヒッピーのコミック作家、というのですから、アップルのスティーブ・ジョブズと同じです。ジョブズは、成功者となっても質素な家に住み、裸足で暮らし、豊かさと無縁でした。ディカプリオも父の影響を受けています。パーティー人生を送っていません。エコカーに乗るベジタリアンです。
リエーターは、最高のぜいたく最高のおしゃれを知っている、ただれた生活すらも。けれどそれは表現の素材に過ぎない、人生の目的ではありません。