弱い日本。それでも偉そうな日本人。

コンテンツ・ビジネス塾「日本の没落」(2008-03) 1/18 塾長・大沢達男
1)1週間分の日経、ビジネスアイとFTが、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)あすの仕事につながるヒントがあります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

○円の没落。
日本の没落が始まっています。事実は重大ですが、もっと大きな問題は日本人がそのことに気がつかず、「日本人は・・・」、「品格は・・・」と、偉そうな発言を繰り返していることにあります。いまから15年前に先進7カ国(G7)で首位だった日本の一人当たりのGDP国内総生産)は、06年にはOECD加盟国で18位までに低下しています。2020年には、米国の半分にまで落ち込むのです。そればかりではありません。援助大国・日本も過去のものです。ODA(政府開発援助)は、00年まで連続10年世界の1位でしたが、10年には6位に転落します(日経1/1)。円安と低成長で、日本は貧しくなり、国際社会での姿もかすんで来ているのです。
海外からのレポートを聞くとぞっとします。サハリンの日本人レストラン「ふる里」で、日本人が食べるのは250ルーブル(1200円)のカツ丼、ロシア人の注文は刺身盛り合せ600ルーブル(2900円)、ステーキ1250ルーブル(6000円)。ロンドンでの天ぷら定食は、20ポンド(5000円)。スペインでは、10年前の昼の定食が500ペセタ(400円)、いまは外食費の平均が40ユーロ(6400円)(日経1/1、1/8)。かつてはアジア経済圏の基軸通貨のように活躍した「円」の時代も完全に終わっています。世界は「ドル」と「ユーロ」の2極体制に、そして40~50年後にはそこに「人民元」が加わり、3極の通貨体制になるのです(日経1/5)。アジア最大の通貨は、すでに人民元です。
○「ニッポン」再設計。
なぜ日本はダメになったのか。1)世代間対立と2)既得権益の内と外の利害対立です(冨山和彦 前産業再生機構専務 日経1/8)。まず圧倒的な数の中高年層が威張りすぎていることです。終身年功型の正規雇用者は中高年、フリーターの非正規雇用者は若者。若者たちはいつも圧倒的な少数派、若者の声は政治に反映されません。「世代別に議員定数を配分するような選挙制度」を検討すべきなのです。もうひとつの、既得権者の横暴は深刻です。「品格論者は『日本はカネ、カネ、カネの社会に成り下がった』と嘆くが、実際は、世界的にもカネが稼げない国、国民になりつつある」(前出 冨山氏) 。その通りです。既得権者の代表は倫理の頽廃した官僚、「国策捜査」の司法も同じです。「2007年の司法判断や規制を見て多くの外資が日本を去った」(斉藤惇東京証券取引所社長 日経1/4)。07年の司法判断とは、国策捜査が葬り去った「ホリエモン」と「村上ファンド」のことではありませんか。「昨年の株価騰落率がマイナスだった先進国は日本とイタリアだけ。海外投資家にとって今の日本は安心して投資できる状況にない」(前出 斉藤氏)。東京市場地盤沈下は深刻です。「ホリエモン」とは世代間対立と既得権者の利害対立の象徴だったのです。中高年と既得権者の日本は、「『最も成功した社会主義国』と揶揄(やゆ)されたが、このままでは『もっとも後に滅ぶ社会主義国』」(堺屋太一 日経1/4)になるのです。
○「日本人は偉い」はやめよう。
「『日本語は特殊である』という言い方が、私は好きではない」(茂木健一郎「欲望する脳」集英社新書」。日本人を特別にしてしまい、他言語の人を黙らせてしまうから。せめて「4種類の文字がある言語は」に、主語を変えるべきだ。そうすれば自由な議論の可能性が開かれる。・・・なるほど。「日本国憲法世界遺産に」では、おかしいのですね。たとえば、「不戦や平和条項がある憲法世界遺産に」にすればいいのですね。すると世界中には124カ国もの憲法があるそうです(小室直樹日本国憲法の問題点」集英社)。日本だけが偉いのではないことがわかります。
グローバル化した世界においては、無防備に『村社会』の論理をさらけ出してしまうことは、たんに笑い者になるだけ・・・」(茂木健一郎「Voice」 PHP)。・・・これもなるほどです。「この世界を本格的に救えるのは、日本人しかいない・・・」(藤原正彦国家の品格新潮新書)。これを読んだらアメリカ人も中国人も国連総長も、びっくり。さらにこれが日本のベストセラーと聞いて、びっくり仰天。茂木さんは、自分自身の立場がこの世界の中で特別だと思い込むなといいます。「他者の目」を通して自分自身を客観的に見る、脳の前頭葉メタ認知の大切さを説きます。冨山さん1960年生まれ、茂木さんは1962年生まれ。時代は少しずつ動いていきます。


コンテンツ・ビジネス塾「日本の没落」(2008-03) 1/18 塾長・大沢達男
1)1週間分の日経、ビジネスアイとFTが、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)あすの仕事につながるヒントがあります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

○円の没落。
日本の没落が始まっています。事実は重大ですが、もっと大きな問題は日本人がそのことに気がつかず、「日本人は・・・」、「品格は・・・」と、偉そうな発言を繰り返していることにあります。いまから15年前に先進7カ国(G7)で首位だった日本の一人当たりのGDP国内総生産)は、06年にはOECD加盟国で18位までに低下しています。2020年には、米国の半分にまで落ち込むのです。そればかりではありません。援助大国・日本も過去のものです。ODA(政府開発援助)は、00年まで連続10年世界の1位でしたが、10年には6位に転落します(日経1/1)。円安と低成長で、日本は貧しくなり、国際社会での姿もかすんで来ているのです。
海外からのレポートを聞くとぞっとします。サハリンの日本人レストラン「ふる里」で、日本人が食べるのは250ルーブル(1200円)のカツ丼、ロシア人の注文は刺身盛り合せ600ルーブル(2900円)、ステーキ1250ルーブル(6000円)。ロンドンでの天ぷら定食は、20ポンド(5000円)。スペインでは、10年前の昼の定食が500ペセタ(400円)、いまは外食費の平均が40ユーロ(6400円)(日経1/1、1/8)。かつてはアジア経済圏の基軸通貨のように活躍した「円」の時代も完全に終わっています。世界は「ドル」と「ユーロ」の2極体制に、そして40~50年後にはそこに「人民元」が加わり、3極の通貨体制になるのです(日経1/5)。アジア最大の通貨は、すでに人民元です。
○「ニッポン」再設計。
なぜ日本はダメになったのか。1)世代間対立と2)既得権益の内と外の利害対立です(冨山和彦 前産業再生機構専務 日経1/8)。まず圧倒的な数の中高年層が威張りすぎていることです。終身年功型の正規雇用者は中高年、フリーターの非正規雇用者は若者。若者たちはいつも圧倒的な少数派、若者の声は政治に反映されません。「世代別に議員定数を配分するような選挙制度」を検討すべきなのです。もうひとつの、既得権者の横暴は深刻です。「品格論者は『日本はカネ、カネ、カネの社会に成り下がった』と嘆くが、実際は、世界的にもカネが稼げない国、国民になりつつある」(前出 冨山氏) 。その通りです。既得権者の代表は倫理の頽廃した官僚、「国策捜査」の司法も同じです。「2007年の司法判断や規制を見て多くの外資が日本を去った」(斉藤惇東京証券取引所社長 日経1/4)。07年の司法判断とは、国策捜査が葬り去った「ホリエモン」と「村上ファンド」のことではありませんか。「昨年の株価騰落率がマイナスだった先進国は日本とイタリアだけ。海外投資家にとって今の日本は安心して投資できる状況にない」(前出 斉藤氏)。東京市場地盤沈下は深刻です。「ホリエモン」とは世代間対立と既得権者の利害対立の象徴だったのです。中高年と既得権者の日本は、「『最も成功した社会主義国』と揶揄(やゆ)されたが、このままでは『もっとも後に滅ぶ社会主義国』」(堺屋太一 日経1/4)になるのです。
○「日本人は偉い」はやめよう。
「『日本語は特殊である』という言い方が、私は好きではない」(茂木健一郎「欲望する脳」集英社新書」。日本人を特別にしてしまい、他言語の人を黙らせてしまうから。せめて「4種類の文字がある言語は」に、主語を変えるべきだ。そうすれば自由な議論の可能性が開かれる。・・・なるほど。「日本国憲法世界遺産に」では、おかしいのですね。たとえば、「不戦や平和条項がある憲法世界遺産に」にすればいいのですね。すると世界中には124カ国もの憲法があるそうです(小室直樹日本国憲法の問題点」集英社)。日本だけが偉いのではないことがわかります。
グローバル化した世界においては、無防備に『村社会』の論理をさらけ出してしまうことは、たんに笑い者になるだけ・・・」(茂木健一郎「Voice」 PHP)。・・・これもなるほどです。「この世界を本格的に救えるのは、日本人しかいない・・・」(藤原正彦国家の品格新潮新書)。これを読んだらアメリカ人も中国人も国連総長も、びっくり。さらにこれが日本のベストセラーと聞いて、びっくり仰天。茂木さんは、自分自身の立場がこの世界の中で特別だと思い込むなといいます。「他者の目」を通して自分自身を客観的に見る、脳の前頭葉メタ認知の大切さを説きます。冨山さん1960年生まれ、茂木さんは1962年生まれ。時代は少しずつ動いていきます。