i-Japanを目指そう。うまくすれば、ゴールドラッシュです。

コンテンツ・ビジネス塾「i-Japan」(2009-24) 7/14 塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)あすの仕事につながる
ヒントがあります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、「i-Japan戦略2015」
日本の中長期情報化政策「i-Japan戦略2015」が、政府のIT(情報技術)戦略本部によってまとめられました。これは、2001年の「e-Japan戦略」(世界最先端のインターネットインフラの整備を目標)、2004年の「u-Japan戦略」(ユビキタスネット社会の実現を目標)に続く、これから5年の日本の新たなIT戦略です。就活戦略、企業戦略の立案には、まずこのi-Japan戦略を参考にして、ということになります。
i-Japan戦略2015のサブタイトルは、「Towards Digital inclusion & innovation」。つまりi-Japanの「i」とは、Digital Inclusionの「i」で、Digital Innovationの「i」です。デジタル技術は空気や水のように社会を包み込み(インクル−ジョン)、 社会を革新する(イノベーション)のです。そして日本はデジタル技術で世界のリーダーになる。これがi-Japan戦略の目標です。
2、i-Japan戦略2015のキーワード
1)国民電子私書箱
「国民電子私書箱」は、個人、企業がさまざまな行政サービスを受けられる、ネット上の口座です。いま問題の年金記録はここで管理されるようになります。そして現在構想中に「社会保障カード(仮称)」(年金手帳、健康保険証、介護保険証をまとめたICカード)、すでに稼働している「住基ネット」ともシステム的にうまく統合されます。国民電子私書箱で、行政サービスはスピードアップされ、電子政府の夢が実現します。
2) EHR( Electronic Health Record)
個人の健康情報を電子的にまとめて管理します。健康情報とは、検査結果、診断名、処方・調剤情報です。医療過誤をなくします。継続的な医療が受けられます。不要な検査をなくします。健康情報を全国規模で集め、利用することもできるようになります。そして、「レセプト(診療報酬請求明細書)情報」、「特定健診情報」のデータベースシステムとも連動し、 さらに、「医療・介護分野のID基盤」、「社会保障カード」とも統合されます。
3)高度デジタル人「財」
○新しいテクノロジーイノベーションを創造できる。○情報システムを、開発、構築、運営できる。○デジタル技術と業務に精通している。○英語ができ、国際的に通用する力量を持つ。この高度デジタル人財を、認定・認証し、年間1500人育成します。i-Japan戦略2015は、以上、政府、医療、教育の3つの分野のキーワードに要約できます。
3、i-Japanを実現するインフラ
1)スマートグリッド(次世代電力網)
IT、自動車そして電力会社を巻き込む電力革命です。自宅の屋根の太陽電池で貯めた電力や、風力発電で余った電力を自動車に貯め、電力不足のときはその電力を家庭やオフィスで使い、さらには電力会社に売るのです。デンマークでは街ぐるみの実験が始まり。日本でも三菱重工業の「エコスカイハウス」の実験があります。国ぐるみの取り組みが「スマートグリッド」、家庭の取り組みが「マイクログリッド」と呼ばれます(「グリーンインダストリー」 日経7/2~7/4)。
2)クラウドコンピューティング
サーバーを多数配置した「データセンター」中心の、コンピューターのこれからの使い方です。アマゾン、グーグル、シスコシステムズ、オラクル、アップルが、クラウドサービスをしています。たとえばアップルの「iPhone」では、5万種類を超すゲームなどのアプリケーションソフトが、ネット販売されています(「21世紀インフラ」日経7/1)。
3)CIO
では、だれがi-Japan戦略を推進するのか。CIO(Chief Information Officer =最高情報責任者)です。つまりみんなでやろうではないのです。政府でも自治体でも企業でも、CIOが、組織・予算・制度、すべてに責任を持って強力に推進するのです。