コンテンツ・ビジネス塾「オバマ大統領」(2009-41) 11/17塾長・大沢達男
1)1週間分の日経が、3分間で読めます。2)営業での話題に困りません。3)あすの仕事につながるヒントがあります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。
オバマ大統領が、11/14に東京のサントリーホールで、30分の演説をしました。これは1/10の要約です(11/15読売とTHE DAIRY YOMIURIを参考)。オバマ大統領のスピーチは国際舞台でのプレゼンテーションのお手本です。1)全体が、そして部分も、3部で構成されています。一度聞いただけで頭に叩き込むことがます。2)主張には3つの証拠(evidence)が添えられ、説得力があります。3)発声、アイコンタクト、ジェスチャー。しっかり準備され練習されています。だから感動できます。
1、イントロダクション(自己紹介、謝意、話のテーマ)。
1)ありがとうございます。合衆国大統領(President of the United States)としてアジアの最初の訪問地・東京に来ました。小さいころ鎌倉に行ったことがあります。大仏を見ました。けれど私は抹茶アイスクリームに熱中していました(笑い)。いま、少年のころに受けたのと同じおもてなしを、感じています。天皇皇后両陛下、鳩山首相、そして(福井県)小浜(おばま)のみなさんに感謝します。
2)私がアジアの旅を日本から始めたのはかんたんな理由からです。まず、私が大統領に就任してホワイトハウスに最初に招いた外国指導者は日本の首相で、クリントン国務長官も初の外遊を日本から始めているからです。つぎに日米の同盟(alliance)は50周年をむかえます。日米は、世界第一、第二の経済大国として、さまざまな国際的な取り組みにあたってきたからです。そして米国は大西洋の沿岸から出発しましたが、太平洋に発展した国で、私自身もハワイで生まれ、インドネシアで育った太平洋の大統領です。日本やアジアの安全保障への責任が欠かせないからです。
3)もうひとつ、台頭する中国をどう見るかの問題があります。国際社会は中国の力を必要としています。米国は中国の「封じ込め」を目指しません。戦略でも経済でも意思の疎通をはかり、協力の精神で臨みます。アジア太平洋国家(a Asia Pacific nation) としての米国が、この地域の安全と繁栄のために何ができるかを、これから話します。
2、ボデイ(論点1、論点2、論点3)。
1)第一は経済の回復(economic recovery)と成長です。景気の後退から学べることは、米国は消費アジアは輸出、この役割を見直すことです。米国は輸出を増やし、仕事を増やします。アジアのみなさんは市場を開放し、高い生活水準を達成してもらいます。輸出と輸入のバランスで世界経済は繁栄していきます。
2)第二は気候変動(climate change)の問題です。主要な排出国は削減目標を掲げなければなりません。また私たち一人一人が環境のためにできることをしなければなりません。日本は環境技術の先端にいます。米国のいいパートナーになってくれることを期待します。
3)第三は核兵器(nuclear weapons)と自由の問題です。私は核兵器を世界からなくす計画を明らかにしています。日本は賛成してくれています。地球上で日米両国ほど核兵器の怖さを知っている国はありません。日本は、核を持たないという道で真の平和と力を達成した、世界の見本です。北朝鮮は核兵器を開発し挑発の道を歩んでいますが、もうひとつ豊かな繁栄への道があることを知るべきです。日本の拉致被害者(those who have been abducted)の情報を家族たちに明らかにすることが、国際社会に迎えられるための第一歩になります。そしてビルマ(ミャンマー)には自由の問題があります。米国は制裁を続けます。ミャンマーの指導者は、アウン・サン・スー・チーさんと全政治犯を解放し、少数民族との紛争を終結させなければなりません。
3、エンディング(要約、結論、感謝)。
1)米国はアジア太平洋のために日本との協力で行動します。日米は50年にわたり絆を築いてきました。日本は、戦後の経済復興で「日本の奇跡」(the Japanese miracle)を起こした国です。
2)問題は、経済、環境、そして核兵器と自由です。挫折や困難はあります。しかし奇跡を起こした日本の歴史が、問題解決はできる、と教えています。これこそが日米とアジアの目的です。
3)米国初の太平洋大統領(America's first Pacific President)は約束します。太平洋国家(Pacific nation・米国)は、この地域での指導力を強化し発揮し続けます。Thank you very much.(拍手)。