やっぱり社説は、読売、産経、日経ですね。

ビジネス塾「1元旦社説」(2012.1.1)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事からホットな話題をとりあげました。2)新しい仕事のアイディが生まれます。3)就活の武器になります。4)毎週ひとつのキーワードで、知らず知らず実力がつきます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

2012年元旦の社説を要約し、1)説得力、2)情報力、3)提案力から採点しました。
朝日新聞
先進国では「成長」の時代が終わる。原発赤字国債も成長の夢を追った結果である。新しい時代の芽が、ブータンのGNH(国民総幸福)、草食系の若者、震災でのボランティアなどに現れている。これからの大原則は「持続可能性」。まず国の借金を増やさない。つぎに医療、介護、教育の社会的サービスを再建する。そして原発を早くゼロにする。シルバーとグリーンで成長から成熟へ、社会を切り替えたい。
*朝日は批判型から提案型に変わった。だが単なる甘いささやき、提案をしていない。BCC
○読売新聞
野田首相の統治能力が問われる。まず消費税。財政破綻を避け、年金、医療、介護を充実させるために引き上げるべき。つぎに沖縄。軍事の中国、北朝鮮に対するために日米同盟を強化し、普天間問題を解決しなければならない。そしてTPP。農業のピンチではなく、衰退させないためのチャンスである。さらに原発。「脱原発」は無責任。原発は世界に貢献できる輸出産業。安全な新型で原発を更新したい。
*明快で説得力がある。提案も現実的。しかし他紙の倍の長文は長過ぎる。BBA
毎日新聞
政治の問題解決能力が問われているのに、復旧・復興、脱原発、税と社会保障、TPPを前に、内閣は党内求心力と、低支持率に苦しんでいる。まず「説明」と「説得」。民主党政権交代の意義を自己評価すべきで、野党は代替案を提示すべき、そこで「妥協」が可能になる。「ねじれ」を与野党の知恵で改善して欲しい。最後には有権者の判断がある。民主政治の危機に日本から誇るべき成果を発信したい。
*民主主義の危機を説いているが、この社説自体に、説得力も提案力もない。CCC
東京新聞
アラブの春だけでなく、ロシアでも米国でも、民の力が政治を動かしている。日本では民主党が期待を裏切り、政権公約すら捨てている。野田政権は消費税増税法案を提出する前に国民に信を問うべきである。民衆は政治に失望したかに見えるが、放射能汚染や大阪、名古屋では立ち上がっている。ただ「維新の会」には独裁の危険もある。多様な情報と見方を提供する新聞・メディアの責任が重要になる。
*民の力の爆発は、新聞ではなくソーシャルメディアの力によるものではないか。CCB
産經新聞
「負けるな うそを言うな 弱いものをいじめるな」。薩摩藩の教育の訓戒だ。「負けるな」は、原発事故現場で働く名もなき「英雄たち」の合い言葉になった。戦後の日本はこの精神を忘れている。自分の都合だけでPKOに協力せず、大震災では非常事態に対応できなかった。日本を無力化するための憲法を見直さなければならない。強い国に生まれ変わるためには、剛毅、克己、礼節の強い指導者が必要である。
*感動する。教えられる。夢がある。署名論説ならでは味がある。AAA
日経新聞
「日本はどうなるのだ」と書いた20年代日経の外報部長の嘆きは今の日本に当てはまる。当時、世界のリーダーが英国から米国に変わる第1次グローバル化の時代、現在は米国が世界をリードできなくなった第2次グローバル化の時代。ひとつの国だけでものごとを解決できなくなってきている。民主主義、資本主義に変わる新しい理念はない。国家目標としてグローバル社会で生き抜くことを掲げ再生したい。
*小手先の作文ではない。スケールがある。歴史観とヴィジョンがある。AAA