クリエーティブ・ビジネス塾1「元旦社説」(2013.1.1)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。
1、2013年元旦の社説。説得力、報道力、提案力の3点をABCの3段階で評価しました。
○朝日新聞
「日本」を主語にしては、問題解決への答えを、見つけることができない。財政危機のギリシャを救ったのがEUだったように、日本の問題も他の国との連携なしに考えられない。逆にカタルーニャやスコットランドのように国に地域が独立を求める動きもある。橋本市長やマイケル・サンデルの主張も、国家の相対化と共同体の尊重で重なる。ナショナリズムの主張だけでは日本の社会の未来は見えてこない。
*書斎での議論に過ぎない。『国家の品格』を礼賛した朝日の鎖国主義のへの反省なのか。BCC
○毎日新聞
互譲と互恵の精神で2013年の2つの問題に立ち向かいたい。ひとつは経済。パイを増やすことよりどう分配するかである。高年齢者層から若年者層への所得の転移が必要だ。同じパイでのプラスの分配サイクルを実現したい。次は平和。課題は中国。最悪の事態を回避したい。領土と主権の争いのを解決には、譲歩。まず日本の立場をねばり強く世界に説く。そして中国には互恵関係の大切さを確認する。
*提案するようになった毎日を評価する。しかしいかにも抽象的。具体性が欲しい。BCC
○読売新聞
日本経済は20年前の水準に留まっている。日本は岐路に立つ。国力を維持向上させなければならない。安倍政権は夏の参院選で勝ち政治を安定させなければならない。まず集団的自衛権で日米同盟強化。つぎは経済の成長戦略。日銀総裁は代わる。さらに安価で安定的な電力。原発ゼロではダメ。原発のインフラ輸出の問題で、防衛力の問題でもある。そしてTPPには早期に参加を表明すべきである。
*具体的、現実的で将来を見通した提言になっている。文章長い。プロとして整理して欲しい。BBA
○産經新聞
現憲法の戦後体制を改めなければならない。中国は領空領海を侵した。北朝鮮は米国を狙うミサイルの実験をした。現行法では国の守りに「大穴」がある。日米同盟で中国の圧力をはね返さなければならない。かつて清国は大型戦艦で日本を威嚇したが、日本は団結心と愛国心で、清を打ち破った。東北大震災で日本人は団結し危機を乗り切った。世界は知っている。安定政権で困難に立ち向かいたい。
*署名論文は力強い。平和ボケへの警鐘。事実をどう読み、歴史から何を学からのお手本。BAB
○日経新聞
国力が落ちている、国力を高めなければならない。かつて日本は経済大国をめざし、1993年にGDPで世界2位に、しかし2011年には14位。経済の目標にGDPに海外投資の利益を加えた「GNI(国民総所得)」を提案する。国の方向は「科学技術イノベーション立国」。たとえばips細胞。そして社会の目標は震災から学んだ「共助の精神」。政治の安定、日米同盟、少子化の問題もあるが、明るい明日は来る。
*具体的な提案力でナンバーワン。読むものの知識が試される。勉強になる。BBA