人口1億人に賛成です。

クリエーティブ・ビジネス塾46「一億総活躍」(2015.11.18)塾長・大沢達男
1)1週間の出来事から気になる話題を取り上げました。2)新しい仕事へのヒントがあります。3)就活の武器になります。4)知らず知らずに創る力が生まれます。5)ご意見とご質問を歓迎します。

1、アベノミクス
2012年12月から民主党政権から安倍内閣になりました。安倍内閣が掲げたのは「デフレからの脱却」、そして経済政策「アベノミクス」が始まりました。第1の矢は大胆な金融政策、第2の矢は機動的な財政政策、第3の矢が民間投資を喚起する成長戦略。結果の評価は専門の経済学者に任せます。ただ当時の1ドル80円は、現在は1ドル123円、日経平均株価は当時の8000円台から現在の1万9700円、素人目にも明らかです。アベノミクスは成果を収めています。
問題は豊かになった生活実感に乏しいことだけです。消費税は、2014年4月に8%、2015年10月に10%の予定でしたが、10%は2017年4月に延期になりました。消費税は8%でもつらい。でも国家再建のためならば、10%でも私たちは協力します。問題は日本人は何をもって人類に貢献するかです。
2、1億人
現在、安倍内閣アベノミクス第二ステージ「新・三本の矢」を提案し、取り組みを開始しています。そして、その前提として「50年後も人口1億人維持」と2020年までに「GDP600兆円」達成の具体的な数字の政策目標を掲げています。
人口一億人維持は極めて重要です。現在の出生率約1.4がこのまま続けば、50年後に8千万、100年後に40千万、そして30世紀には数百人、日本は消滅します。まず1億人に人口を維持する、そして1億人の1人1人が活躍する、それが「1億総活躍」の意味です。
第二ステージの第1の矢は、「希望を生み出す強い経済」です。目標はオリンピックが開かれる2020年までにGDP600兆円(現在500兆円)を達成することです。まずTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で域内向けの工業製品にかかる関税は99.9%撤廃されることになります。メリットを受けるのは大企業だけではありません。南部鉄器、鯖江のメガネ、今治のタオルも恩恵を受けます。さらに農林水産物では関税撤廃率を81%にとどめることができました。名目経済成長率・年3%が実現します。
第2の矢は「夢をつむぐ子育て支援」です。出生率を1.4%から1.8%に上げます。まず結婚を考えている若者の背中を押す政策を進めます。そして子育てにやさしい社会を作ります。
第3の矢は「安心につながる社会保障」です。まず「介護離職ゼロ」の実現です。高齢者と現役世代の共倒れを防ぎます。つぎに国家公務員宿舎などの国有地を活用し、特別養護老人ホーム(特養)を建設します。さらに高齢者が「生涯現役」を貫ける社会を建設します。以上は、「アベノミクスの成否を問う『1億総活躍』わが真意」(安倍晋三 『文芸春秋』2015.12)からの要約です。
3、日本国憲法
なぜ日本は人口が減っているのか。それは日本人が日本人としての誇りを捨ててしまったからです。国家・社会の役に立つ人間になる、「利他」の精神で生きる、日本人として人類に貢献する力になる、という使命を忘れてしまっているからです。
学校を見れば分かります。児童、生徒、学生は、授業中に平気でおしゃべりします。悪いと思っていません。他人に迷惑だと理解していません。「個性の尊重」ばかりです。
各種の自治活動も同じです。共同体に献身的に奉仕する精神がありません。マンションの管理組合の発言では、自己主張ばかりが繰り返されます。たとえば「無届け介護ハウス」では、その違法性を指摘する排除の論理、住民エゴだけです。問題は行き場の無い高齢者をどうするかです。
さらに政治の舞台でも同じです。民主党政権ではひどいことが起こりました。時の首相は、震災の復興会議で、何の指針もなく会議のメンバーに問題を丸投げしました。これらが平和と民主主義教育の成果です。
ひと言でいうならば、日本国憲法教育基本法を改正しなければ、日本人の誇りは復活しません。
人口問題は最重要課題です。20世紀になってイスラム人口は1.5億から12億に8倍になりました。対してヨーロッパは19世紀末までに4.6億人(全世界の1/4)。ところが21世紀までの100年間で6.6億人に増えただけ。ヨーロッパの人口はイスラムの半分でしかない、これが西欧社会を襲っているテロ問題の本質です(『自爆する若者たち』グナル・ハイゾーン 猪股和夫訳 p75~76 新潮新書)。
「1億人」に賛成します。そのためには「日本国憲法」と「教育基本法」の改正が必要です。