クリエーティブ・ビジネス塾40「エルヴィス⑩」(2019.10.1)塾長・大沢達男
エルヴィスをコントロールしたトム・パーカーとは何者か。
1、『燃える平原児』
今年の7月に訪れたニューヨーク・ホイットニー美術館でアンディー・ウォーホルの『エルヴィス』に出会いました。<エルヴィス論が書ける>。衝撃が走りました。全身に電流が流れました。
絵には、ピストルを持って誰かを撃とうとしているエルヴィスが、描かれています。エルヴィス主演の映画『燃える平原児』からコピーされたものです。<エルヴィスは誰を撃ったかの>。これが私のテーマです。
日本に帰ってきて早速映画『燃える平原児』を見ました。そして、驚きました。
まずエルヴィスの歌をお聴きください。今回は詞の翻訳はありません。♫Flaming Star♫です。
エルヴィスの歌はまあまあ。しかし映画はひどい・・・。
主人公のペイサ-(エルヴィス)は、ネイティブ・アメリカンのカイオア族の母と白人の父の下に生まれます。
カイオア族は白人の街の攻撃を仕掛け無差別に殺人をします。エルヴィスは母のカイオア族側に立つのか、父の白人側に立つのか。決断を迫られます。良心的な映画のようで、人種偏見の映画です。
カイオア族「地球は丸いというが、下の方にいる奴は落ちないのか?」
ペイサー(エルヴィス)「実際の落ちた奴がいるんだ・・・」。カイオア族を未開人として、バカにしています。
制作されたのは1960年。監督はドン・シーゲル。クリント・イーストウッドの『ダーティー・ハリー』で、後に有名になるB級のアクション映画監督です。
2、トム・パーカー
なぜエルヴィスのマネージャーは『燃える平原児』のような映画に出演させたのか。マネジャーのトム・パーカーとは何者なのか。私の頭を離れなくなります。
一般的にトム・パーカーは、エルヴィス・プレスリーをキング・オブ・ロックンロールにした偉大なマネジャーとして知られています。1)エルヴィスを地方のサン・レコードから世界的なレーベルRCAビクターに移籍させ、『ハートブレイク・ホテルをヒットさせた。2)米陸軍の召集令状に素直に応じさせ服役させ、米市民のお手本にした。3)復帰後の活動は映画出演だけに絞り、さらにその後ははコンサートだけにし、ラスベガス公演を成功させ、エルヴィスをカリスマにし、ドル箱スターにした。
本当にそうなのか。アンディ・ウォーホルの『エルヴィス』を見て以来、私は疑いを持つようになりました。アンディの鋭い感覚は、何かを告発している。そして『THE COLONEL THE EXTRAORDINARY STORY COLONEL TOM PARKER AND ELVIS PRESRY』(ALANNA NASH 2003)で、疑惑は確信になります。
1)パーカーはパーカーではない。オランダ人「Andreas Cornelis (Dries) Van Kuijk(ファン・カウク」。
2)なぜパーカーは偽名を必要としたのか。密入国者、不法移民だから。
3)なぜパーカーは密入国をしたのか。オランダでの殺人犯だから。
またまた衝撃。全身に電流が走りました。
本来は、1時間以上かけて話さなくてならないことを1分で話しました(『エルヴィス・プレスリー』東理夫、『エルヴィス、最後のアメリカン・ヒーロー』前田絢子にもこの事実は書かれていません)。
なぜエルヴィスに徴兵拒否をさせなかったか。なぜ白人礼賛の人種差別の映画に出演させたか。なぜパーカーはカウボーイ・ハットかぶり保守派を演じていたのか。すべては過去を詮索されないためにです。
ウォーホールの『エルヴィス』は、何を誰を撃とうしていたのでしょうか。白人中心の米社会、退屈な学校、頼りのない父親・・・もっと具体的にアンディ・ウォーホールはトム・パーカーの偽りを知っていた・・・。
第1回目の「ELVIS」で、Elvisの名前の中には、「LIVES」生命の讃歌、と「EVILS」邪悪な悪魔が隠されている、とお話ししました。悪魔とはトム・パーカーでした。そして実際にエルヴィスはライフルでトム・パーカーを撃とうとしました。ここに証拠写真があります。
3、♫『天使のふりした悪魔(Devil in Disguise)』♫(1963年ビルボード3位 英国チャート1位)
君は天使のようだ/天使のように歩く/天使のように話す/だけど 分かった/君は天使のふりした悪魔/そうさ 君は/天使のふりした悪魔
君はキスしてだました/裏切り はめた/君のウソに 誰も気がつかない/君は見かけと違うんだ
ぼくはハッピー信じていたのに/だけど驚き桃の木/やばい大変知らなかった/君の視線に悪魔が見えた
トム・パーカー 君は天使のふりした悪魔/そうさトム・パーカー/君は天使のふりした悪魔